2005年10月22日(土) 04時50分
ワームよりDoS攻撃がISPに最大の脅威 - 恐喝から口論の腹いせまで動機は様々(MYCOM PC WEB)
米Arbor Networksは、世界のISPが直面しているセキュリティ事情などを調査した最新レポート「Worldwide ISP Security Report」の発表を行った。DDoS攻撃の問題が、ISPの頭を最も悩ませている現状も浮き彫りになっている。
同レポートは、北米/欧州/アジア地域の36に上る大手ISPなどを対象に実施したアンケート調査に基づくとされる。調査結果によれば、ISPにとって最も大きなセキュリティ上の脅威は、全体の64%がトップに挙げたDDoS攻撃。ウイルスやワームによって引き起こされる被害や、DNSプロトコルにおける脆弱性といった懸念を大きく上回っているとされる。報告されたDDoS攻撃のうち、実に9割以上は、TCP SYNフラッドやUDPフラッドの手法が用いられているようで、ゾンビPCを組織化して利用する、ボットネットからの攻撃が大半を占めるという。
DDoS攻撃のターゲットとして、最も多数を占めたのは、ギャンブルやポルノ関連のサイト。IRCネットワークを狙うものも多かったほか、全米レコード協会(RIAA)を標的として、関連サイトにDDoS攻撃を仕掛けるケースも目立っているようだ。DDoS攻撃の動機も、企業を狙ったスパイ行為や恐喝行為、サイバーテロ攻撃から、オンラインゲームで口論になった相手への腹いせに至るまで、多岐に及んでいるという。
一方、各ISPが様々なセキュリティ上の問題に対応するため、社内に常駐している専門スタッフの数は、ごく少数に限られる厳しい現状も明らかとなっている。今回のレポートでは、DDoS攻撃が増加の一途をたどることが予想されるため、今後は対策サービスの提供に大きな需要があるとの予測も出されている。また、DDoS攻撃を仕掛けた犯人に対して、厳しい法的措置を取ることなどが、犯罪抑制効果をもたらすとの見解も示された。
(湯木進悟)
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http://pcweb.mycom.co.jp/news/2005/10/20/004.html
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Arbor Networks
http://www.arbor.net/
(MYCOM PC WEB) - 10月22日4時50分更新
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