2005年10月21日(金) 17時02分
NHK、中越地震被災者から徴収再開(夕刊フジ)
新潟中越地震の被災者に対して受信料を免除してきたNHKが、一部地域で徴収を再開していたことが21日までに分かった。いまだ仮設住宅に入居する被災者も多く、識者からは「杓子(しゃくし)定規な措置」と疑問の声が上がっている。
受信料免除について放送受信規約では、災害救助法適用地域で建物が半壊した場合、通常は2カ月免除と定めている。中越地震に関しては、大規模災害の特例で免除期間が6カ月に延長された。また、避難勧告・指示地域では、勧告・指示解除から1カ月後までが免除期間となっている。
新潟県の発表によれば、今月13日現在、避難勧告・指示を受けているのは18カ所の約380世帯1284人。だが、住宅再建のめどが立たず、仮設住宅で暮らす被災者は約2800世帯に達している。
これまで旧山古志村などの一部で勧告・指示が解除されたのに伴い、NHKは規約に従って徴収を順次再開したというのだ。
こうした措置に対し、NHK政治部OBで椙山女学園大学の川崎泰資教授は厳しく批判する。
「常識的に考えられない杓子(しゃくし)定規な判断。被災者の受信料など、130万件にも及ぶ不払い全体から見れば微々たるものなのに、NHKの幹部は収入が上がればいいと血眼になっている。現場の集金スタッフもつらいだろうし、視聴者の感情を逆なでするだけだ」
NHKの橋本元一会長は19日、受信料の支払い拒否・保留対策として、民事手続きによる督促を検討すると発表したが、これについても川崎教授は手厳しい。
「NHKへの不信感が受信料問題の根幹なのに、視聴者の反感を買うようなことを平気で決める。NHKの幹部が視聴者の目をまるで意識できていない証拠。この組織はもうだめだ」
NHKの迷走はどこまで続くのか。
(夕刊フジ) - 10月21日17時2分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051021-00000007-ykf-ent