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■14歳の少女も
四件の集団自殺は二、三、五、六月と立て続けに起きた。
最初は二月二十八日、日光市の観光名所「竜頭滝」の駐車場で、男女四人が乗用車内で死んでいるのが見つかった。翌三月一日には、二宮町の鬼怒川河川敷にあった車内で、中学二年の少女=当時(14)=を含む男女三遺体が発見された。
五月八日には、那須塩原市、六月三十日には藤原町の山林で、軽ワゴン車内の男女三人ずつが死んでいるのが見つかった。
四件はすべてネットを通じて知り合った若者を中心とする他人同士が、車内で練炭を燃やして自殺するという共通点があった。
■県内在住1人
ネット集団自殺の増加は全国的な傾向だが、今年の県内の状況は特に深刻だ。
警察庁のまとめでは、全国の、ネットによって知り合った二人以上の集団自殺の死者は、今年八月末までに七十五人。県内の十三人は、全体の約17%で、発生・死者ともにゼロだった一昨年と昨年に比べ突出した数字となっている。
捜査一課によると、十三人のうち県内在住者は、那須塩原で発見された男性=当時(45)=一人のみ。残る十二人は県外在住者(東京五、神奈川二、埼玉一など)で、県外からやって来る自殺者に手の打ちようがないのが現状だ。
■名所、避暑地…
なぜ、県外在住者がやって来るのか。
「これから死のうとする人は、環境の清々とした場所を選ぶことが多い」。ネット上の自殺サイトを管理する山梨県の男性(55)は、自殺者の心理を推測する。「関東なら(自殺志願者の)多くが東京近辺で待ち合わせる。車で走り出して二、三時間の自然が多いところを見つけるのだろう」
四件の集団自殺の現場は、名所や避暑地、温泉街の周辺など。県内の観光スポットが、若者らの最期の場所として選ばれるというのは皮肉としか言いようがない。
こうした状況に、捜査幹部は「練炭を使って、みんなでやれば楽に死ねるという認識が広まってしまっている」とため息をつき、歯止めがかからない集団自殺の風潮を憂慮している。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tcg/20051021/lcl_____tcg_____000.shtml