悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2005年10月18日(火) 14時48分

災害復興支援のNPO「国境なき技師団」来月設立読売新聞

 パキスタン北部地震のような大災害に見舞われた発展途上国の復興支援のため、日本の土木、建設技術者たちがNPO(非営利組織)「国境なき技師団(仮称)」を設立することになった。

 来月、設立総会を開く。地震、風水害、火山噴火の発生後、速やかに現地入りして建築物被害や地盤の調査に取り組み、安全な避難場所や有効な復旧方法を提言する。

 昨年12月のインドネシア・スマトラ島沖地震以降、「災害大国」日本の技術力に対して途上国の期待が高まるなか、「顔が見える支援」を目指す。

 参加するのは土木学会と日本建築学会の会員有志。NPO設立を呼びかけた早大理工学部の浜田政則教授(地震工学)によると、道路や港湾施設を含む建築物の耐震対策や、土砂、火山災害に詳しい研究者、企業の技術者が参加を予定しているほか、早大と京都大の学生有志も参加準備を進めている。

 来月中に東京都にNPO認証を申請の予定だが、各地で大災害が相次いでいることを受け、来春の正式認証を待たず、年内から活動を始めたい考えだ。

 また、技術者がボランティアで参加しやすいよう、勤務先の建設会社などにも、法人としての加盟を求めるほか、地域復興の前提となる生産活動の再開には、発電や工場設備の専門家も必要なため、将来的には機械学会や電気学会にも参加を呼びかけることにしている。

 活動の柱として掲げるのは現地事情に応じた支援。NPO設立の準備も兼ねて、土木学会が今年4月に実施したスマトラ島沖地震の被災地、インドネシア・ニアス島での活動では、液状化で傾いた橋脚を修復する際、補強のための補助柱を使って損傷が少ない部分を可能な限り生かす工法を現地行政当局に提案するなど実績を積んできた。

 長期的な視点で復興を進めるため、日本の防災教材の各国語への翻訳や防災指導者の育成などにも取り組み、途上国で遅れが目立つ建築物の耐震診断や耐震補強の普及にも協力することにしている。

 被災地での現地調査を数多く手がけてきた浜田教授は「学会としては、これまでも大きな災害のたびに調査を行ってきたが、帰国後に報告書をまとめる程度で、被災者の役に立つという点では十分ではなかった。NPOの設立を契機に日本の技術者の顔が見える支援活動を目指したい」と話している。
(読売新聞) - 10月18日14時48分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051018-00000207-yom-soci