2005年10月15日(土) 17時20分
多重債務者相手の詐欺:被害回復へ取り組み−−県内でも2弁護士 /広島(毎日新聞)
貸金業者をかたり、多重債務者などから融資保証金の名目で金をだまし取ったとして詐欺容疑で宮崎県警に逮捕された東京都内の会社役員、中林耕二被告(35)=既に起訴=を巡る詐欺事件で、全国16都道府県の弁護士が、被害回復に向けた取り組みを始めた。被害者は全国で数百人に上ると見られ、これまでに147件、約4750万円の被害が確認されている。
県内でも、広島弁護士会の大村真司、戸田慶吾両弁護士が取り組みに参加。「現行法では押収されたものは被害者の手元に戻ってこない。違法に得た対価を被告が保持することは許されない」とし、同事件の被害者と確認できれば、中林被告から押収した1700万円の一部を返還する措置を取るという。
両弁護士などによると、中林被告は仲間5人と共謀して04年1月〜同8月、「融資するにはあなたの過去のデータを消さなければならない。保証協会にお金を納める必要がある」などと、多重債務者らに電話でうそを言い、全国の22〜54歳の16人から現金925万円をだまし取ったとされる。
同被告らは「クロタニツネヤス」「ホリエミツオ」「モリシタタカヒコ」などの架空名義を使って被害者に送金させていた。両弁護士は「心当たりがあれば、連絡してほしい」と話している。問い合わせは、大村弁護士(082・227・8781)。【下原知広】
10月15日朝刊
(毎日新聞) - 10月15日17時20分更新
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