2005年10月12日(水) 03時30分
ネット殺人依頼 不倫相手の男逮捕 女性に暴行、500万円無心(産経新聞)
インターネットの復讐(ふくしゅう)サイトを介した殺人依頼事件で、警視庁捜査一課は十一日、自分の妻の殺害を依頼した東京消防庁職員の女性(32)=暴力行為等処罰法違反容疑で逮捕、処分保留=に暴行を加え、けがを負わせた傷害容疑で不倫相手の同庁職員、町田貞稔容疑者(32)を逮捕した。町田容疑者は不倫交際中、女性から総額五百万円近くも無心していた。この事件では復讐サイトの管理者らが逮捕されたが、女性を追い込んだ不倫相手の男も刑事責任が問われる異例の展開となった。
町田容疑者は先月二日、静岡県の温泉旅館に女性と宿泊した際、午後十時から翌日午前三時までの間、正座している女性に暴行を加え、肋骨(ろつこつ)骨折などのけがを負わせた疑いが持たれている。
これまでの調べでは、妻帯者の町田容疑者は平成十三年九月に女性が渋谷消防署に配属されたのを機に交際。同容疑者は十六年一月ごろから「デート一時間につき二千円払え」と女性に金をせびるようになった。
要求はエスカレートし、女性は一回のデートで数十万−百万円払わされたこともあった。町田容疑者が無心した総額は五百万円にも及んだ。
女性は町田容疑者の金銭要求や妊娠した自分の妻を大切にする言動に耐え切れなくなり、「(町田容疑者を)苦しめるには奥さんやおなかの子供がいなくなること」と考えるようになった。
このため、昨年十一月に探偵業の奥平明男容疑者(49)=詐欺容疑で逮捕=が管理する復讐サイトにアクセスし、妻の殺害を依頼。サイト側に計千五百万円以上払ったが、殺害が実行されなかったため、「だまされているのでは」と今年七月、警視庁に相談していた。
町田容疑者はその後、女性のバッグに入っていたメモで妻の殺害依頼などを知り、逮捕容疑となった静岡県の温泉旅館で暴力を振るい、警察に相談した理由や殺害依頼などの真偽を問いつめた。この際も「朝までいてやるから五百万円用意しろ。金がないなら親族から借りろ」と女性に現金を要求していたという。
(産経新聞) - 10月12日3時30分更新
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