2005年10月04日(火) 18時58分
「環境全体を守る」——MSのウイルス駆除ツールがAntinnyに対応(ITmediaエンタープライズ)
マイクロソフトは10月4日、同社のセキュリティに対する取り組みと戦略についてユーザーに説明する「SECURITY SUMMIT 2005 Fall」を開催した。この中で、米Microsoftのセキュリティビジネス&テクノロジーユニット、コーポレートバイスプレジデントのマイク・ナッシュ氏は、同社が2005年1月より提供してきた「悪意あるソフトウェアの削除ツール」を、Winny経由で感染を広めるウイルス「Antinny」へ対応させることを明らかにした。
悪意あるソフトウェアの削除ツールは、マイクロソフトが「アンチウイルス製品を補完するもの」という位置付けで提供している、ウイルス検出/駆除ツール。これまで検出の対象は、BlasterやSlammerといった、同社製品に大きなインパクトを与えたワームのほか、NetskyやSobig、Zotobなど、大規模に感染を広めるマルウェアのみに限られていた。
しかし、「日本国内からフィードバックをいただき、広く保護が必要という観点から」(ナッシュ氏)、例外的にAntinnyに対応することにしたという。
「非マイクロソフトのアプリケーション(を悪用するマルウェア)であっても、環境全体を守っていくという観点から、ユーザーに悪影響を及ぼすこうしたものを排除する対策を提供する」(ナッシュ氏)
Antinnyへの対応は、10月12日に予定されている月例アップデートで行われる予定だ。新バージョンは専用Webサイトのほか、Microsoft Updateやダウンロードセンターを通じても無償で提供される。
Antinnyは、P2P型ファイル共有ネットワーク「Winny」経由で感染を広げるウイルスで、これまでにさまざまな亜種が登場している。中には感染すると、画面のスクリーンショット画像やファイルを勝手にアップロードしてしまうものも登場しており、原子力発電所の検査関連情報が流出するといった被害が相次いでいた。
マイクロソフトでは、このようにAntinnyが及ぼすインパクトが次第に深刻なものになっていることを踏まえ、「情報漏えいを防ぐという観点から、Windows Updateという巨大なインフラをうまく活用し、社会に大きな影響を与えるマルウェアに対処することにした」(マイクロソフトのセキュリティレスポンスチームマネージャ、奥天陽司氏)。
ただ、重要な情報がこれ以上漏えいするような事態を防ぐことが目的の措置であり、今後「何でもかんでも対応していくというわけではない」(同氏)という。
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/
(ITmediaエンタープライズ) - 10月4日18時58分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051004-00000069-zdn_ep-sci