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2005年09月25日(日) 02時44分

生保各社、契約書類見直し相次ぐ 不当不払い問題受け 「適切な告知」狙い産経新聞

 明治安田生命保険による生命保険金不当不払い問題を契機に、生保各社による募集時の告知や、契約関係書類の見直しが相次いでいる。もともと内容が分かりにくいという批判があったことに加え、告知義務違反が明治安田のトラブルの発端になったことで、業界もようやく重い腰を上げた格好だ。 
 第一生命保険は来月改訂される「契約のしおり」から、既存契約を新たな内容に転換する場合にも告知が必要なことや、重大な違反があった場合には二年以上経過していても契約解除になることを追加する。
 年内には告知書の書式を現状の一枚の紙の両面印刷から、表紙をつけたものに改め、「重要事項をクローズアップし、直前にみてもらうことでより適切な告知が受けられる」(広報)ことを狙う。「夜盲症」「直腸潰瘍(かいよう)」など発症が減っても列記されたままだった病名を削ることで、文字も大きくする予定だ。
 住友生命保険は年度内に、従来は会社側だけが保存していた告知書を契約者にも配布し、双方で管理することにした。また、告知書も密封した状態で本社の査定部門に届け、営業職員による改竄(かいざん)を防ぐ。
 これらの改革は生命保険協会が六月末、「正しい告知作業を徹底するため」に策定した自主指針を受けてのもの。
 明治安田が契約者に健康状態を正しく告知させないで、告知義務違反を理由に保険金支払いの拒否を繰り返していたとして業務停止処分となったことを受け、告知書記入例を明示することや、「潰瘍」や「喘息(ぜんそく)」など難しい漢字は振り仮名をつけることなど、具体的に指摘している。
 明治安田はホームページで告知義務を説明するとともに、契約のしおりの「用語説明」の改訂に乗り出し、来年一月をめどにより分かりやすい形とする。
 もともと告知に関する不満は多く、国民生活センターがまとめた生保に関する相談件数推移によると、相談件数全体は減る中で、告知に関する相談は増加している。
 「加入時に通院していることを営業職員に話したが、構わないといわれた」といった相談など不当不払い問題と直結するケースもあり、「相談件数はシェアと比例。業界の構造的な問題としてあるようだ」(国民生活センター調査相談部)という指摘がある。
 業界最大手の日本生命保険では、昨春から一年かけて、消費生活アドバイザーなどの意見も取り入れた書類作成の新ルールを策定し、営業部などでばらばらにつくっていたパンフレットなどを統一。今年四月から契約のしおりを大きくして文字も大きくし、「保険金請求」や「解約の場合」など目的別の目次をつけて利用しやすくした。
 ただ、業界独自の用語が使われていたり、契約によっては七百ページにも及んだり、契約者にとって分かりやすいとはいえない要素も多く、さらに見直しが求められている。
(産経新聞) - 9月25日2時44分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050925-00000014-san-bus_all