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ハリケーン「カトリーナ」で最大の被害を被った米ルイジアナ州ニューオーリンズ市のすぐ北の町に友人がいる。サンフランシスコから2年前に越してきたばかりなのに、昨年もハリケーン「イワン」に見舞われご難続きだが、昨年と違って連絡が取れず、不安な日々が続いている。
そんなことから、現地のニュースサイトをチェックしていて、災害時のネット利用について日米間の温度差を感じさせるニュースに行き当たった。
ニューオーリンズの被災者は各方面に収容されているが、その先々でパソコン、インターネット接続が無料で提供されているという情報が数多く報じられている。州都バトンルージュにある州立図書館をはじめヒューストン公立図書館、アラバマ大学図書館、フロリダの短大などで開館時間を大幅に延長して数十台から数百台が開放されているほか、中小の図書館、小学校まで、被災証明書類取得や行方不明の家族をネットで探す被災者に対応しており、長蛇の列になっているところもあるという。
翻って日本。ほぼ1年前の新潟県中越地震の際に指摘したことだが、被災者向けの生活情報を中心とした救援サイトは、阪神大震災時より格段に充実した内容を発信したが、実は、当の被災者にはほとんど届いていなかった。避難先の学校にはインターネット環境が整っていたにもかかわらず、である。
「停電していたから」が理由だが、救援する側にその気があれば最初から自家発電機を持ってくればいい話だった。近隣の長岡技術科学大学には多数のコンピューターがあり、一両日で停電が解消したが、コンピューター室開放の要請はなかったという。
さて、くだんの友人。風の便りでは、避難先のヒューストンから町に戻ったらしいが、電話は通じず、いつもは素早いメールの返信もなく、依然、消息不明。これからでも図書館に行って欲しい。でも日本語ソフトの入ったパソコンはないだろうなあ……。(ITジャーナリスト 島田範正)
http://www.yomiuri.co.jp/net/column/kougengaku/20050921nt01.htm