2005年09月15日(木) 00時00分

無料駐車場使いちゃっかり商売 悪用された大田市場　２４時間出入り自由 （東京新聞）

　インターネットで「格安民間駐車場」と宣伝して羽田空港（東京都大田区）の利用者から有料で車を預かり、近くの都中央卸売市場大田市場の無料駐車場に駐車していた男が、警視庁東京水上署に逮捕されていたことが十五日、分かった。逮捕の容疑は、駐車場内で車に装着された車止めを壊した器物損壊。同署は、市場が「二十四時間出入り自由」というすきをついた悪質なパーキングビジネスとみて、実態を調べている。

　逮捕されたのは、川崎市の自営業の男（４０）。

　調べでは、男は十一日午前六時二十五分ごろ、大田区東海三の大田市場内の駐車場で、市場側が車のタイヤにはめた車止めの鍵を工具で壊した疑い。巡回中の警備員からの通報で駆け付けた同署員が、逃げた男を見つけ取り押さえた。容疑を認めているという。

　男はインターネットで民間駐車場のサイトを装い「安心・格安・丁寧」と宣伝。一泊二日で四千円の料金で、羽田空港ターミナルの利用客から車を預かり、約四キロ離れた大田市場内の無料駐車場で保管していた。受け取りの際は、空港近くで自分やアルバイトが待機。顧客に携帯電話で受付場所を指示し、車とキーを預かっていた。返却時は、顧客が到着ロビーから連絡を入れると車を届けていた。

　調べに対し「八月のお盆には一日に約二十台を預かった。七、八月で数百万円を売り上げた」と供述しているという。

　都によると、大田市場内には市場関係者や買い物客向けの複数の無料駐車場が設けられ、計約千台が収容できる。利用者は入り口で入場証を受け取り、駐車中は車内に提示する決まり。警備員が巡回し、無断駐車の車には張り紙で警告して車止めを装着する。最近、長時間の無断駐車や車止めの破壊が相次ぎ、警戒を強めていたという。

　同市場の担当者は「二十四時間出入りできることや、羽田空港に近いことから狙われたのか」と困惑している。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20050915/eve_____sya_____004.shtml