2005年08月19日(金) 19時33分
警察庁、2005年上半期のサイバー犯罪検挙状況を公表〜不正アクセスが急増(impress Watch)
警察庁は18日、2005年上半期(1〜6月)のサイバー犯罪の検挙状況を公表した。サイバー犯罪の検挙件数は1,612件で、前年同期と比べて549件増加している。
検挙件数のうち不正アクセス禁止法違反によるものが198件で、前年同期に比べて132件増加している。手口の内訳は、IDやパスワードなどを不正に利用した識別符号盗用型が193件、セキュリティホール攻撃型が3件、不正アクセス助長行為が2件となっている。
不正アクセスにおけるIDやパスワードの入手方法は、利用者のパスワードの設定・管理の甘さにつけこんだものが64件、他人から購入したものが59件、キーロガー等の不正プログラムを使用した入手したものが32件など。不正アクセス行為の後に利用されたサービスは、インターネットオークションが120件、インターネットバンキングが30件、オンラインゲームが25件など。
不正アクセス事件での検挙人員は58人で、被疑者の年齢層は10代が15人、20代が22人、30代が15人、40代が5人、50代が1人。犯行の動機については、「嫌がらせや仕返しのため」が12件、「不正に金を得るため」が10件、「顧客データの収集など情報を不正に入手するため」が10件、「オンラインゲームで不正操作を行なうため」が7件、「好奇心を満たすため」が6件などとしている。
また、全国の都道府県警から報告のあった不正アクセスの認知件数は317件で、前年同期と比べて119件増加。内訳は国内からのアクセスが265件、海外からのアクセスが31件、アクセス元不明が21件。被害を受けたマシンの管理者別の内訳は、プロバイダーが166件、一般企業が132件、大学・研究機関等が7件、その他が12件(うち行政機関が10件)となっている。
不正アクセス禁止法違反の他には、電子計算機使用詐欺などの「コンピュータ・電磁的記録対象犯罪」が23件、犯罪の実行に必要不可欠な手段としてネットワークを利用した「ネットワーク利用犯罪」が1,391件検挙されている。
ネットワーク利用犯罪の内訳は、詐欺が672件と大半を占めており、ネットオークションにおける詐欺や、有料サイトの利用料と称して現金を振り込ませるといった犯罪が事例として挙げられている。その他の検挙件数は、児童買春(143件)、児童ポルノ(68件)、青少年保護育成条例違反(114件)、わいせつ物頒布等(55件)、著作権法違反(77件)、商標法違反(50件)、脅迫(20件)、名誉毀損(20件)などとなっている。
関連情報
■URL
平成17年上半期のサイバー犯罪の検挙及び相談受理状況等について(PDF)
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h17/image/pdf25.pdf
平成17年上半期の不正アクセス行為の発生状況等について(PDF)
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h17/image/pdf26.pdf
警察庁 サイバー犯罪対策
http://www.npa.go.jp/cyber/
■関連記事
・ 警察庁、2004年サイバー犯罪調査〜検挙数は2年で倍増し2,000件突破(2005/02/25)
( 三柳英樹 )
2005/08/19 14:30
(impress Watch) - 8月19日19時33分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050819-00000017-imp-sci