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2005年08月14日(日) 00時00分

禁煙対策 タイ過熱  JTなどメーカー猛反発 東京新聞

 禁煙を促進するタイ政府により、小売店でのたばこの陳列販売禁止措置が九月から導入される。これに対し、経営環境が厳しさを増してきたタイたばこ専売公社(TTM)や米系フィリップ・モリス社、日本たばこ産業の子会社JTインターナショナルなどから猛反発が出ている。

 政府は二〇〇二年十一月に、エアコン使用の飲食店やデパートなどでの喫煙を禁止し、違反者には罰金を科すなど厳しい姿勢を打ち出した。これにより国民一人当たりのたばこ消費量は〇〇年の約千本から約八百本に低下したものの、喫煙者の低年齢化や女性の増加の問題が残っていた。

 政府は今年三月に紙巻きたばこのパッケージに肺がんや気管支炎に苦しむ患者の写真の印刷を義務づけたばかり。今度は店頭での陳列販売を九月二十四日から禁止する。たばこの宣伝・広告は既に禁止されているが、陳列販売も宣伝に該当するとの判断からだ。

 タイ国内の煙者数は九百六十万人だが、たばこの売り上げは減少傾向にあり、コンビニなどでの陳列ができなくなれば大打撃となるのは必至。さらに、タイ英字紙「ネーション」によると、政府は五年以内にたばこ税を現行の75%から80%に引き上げる方針だ。

 売り上げが減る中、十八億ドル規模のタイのたばこ市場をめぐっては国内外の販売業者は激しいシェア争いを展開。これに加え、8−10%はあるといわれる偽造品が各社の業績を圧迫する。

 TTMは政府の禁煙促進政策に対して「喫煙者を減らすよりも、粗悪で安いまがいものの流通を増やすだけだ」と主張。さらに「十八歳以上の消費者はたばこを選んで喫煙する権利があり、販売業者には陳列場所を選ぶ権利がある」と、保健省が方針を撤回しなければ提訴も辞さない構えだ。

 (バンコク・平田浩二)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20050814/mng_____kok_____002.shtml