2005年08月13日(土) 03時06分

＜自殺サイト殺人＞過去にも「窒息」事件　当時は反省したが（毎日新聞）

　自殺サイトを利用した男女３人の連続殺人事件で、逮捕された派遣会社員、前上博容疑者（３６）＝大阪府堺市＝が、府警河内長野署捜査本部の調べに、過去に起こした傷害事件を踏まえ、「服役後は２度と他人を窒息させる行為をしないと誓ったが、またやってしまった」と供述していることが分かった。前上容疑者は口をふさがれて苦しむ様子を見て興奮する癖を持っており、捜査本部は欲望を抑え切れず、事件に及んだとみて追及している。
　調べでは、前上容疑者は中学生のころ、快楽殺人をテーマにした江戸川乱歩の小説の挿絵をみて興奮を覚え、他人と違う性癖に気付いたという。
　前上容疑者は次第に、人間の口をふさぐことを実際に試してみたい衝動にかられ、０２年までに通行中の中学生らにけがをさせたなどとして、これまで３回逮捕された。うち一度は執行猶予がついたが、猶予中に再び事件を起こし、昨年３月まで服役した。
　出所後は「もうやめよう」と誓い、両親も自宅でのインターネットの接続を許していなかったが、ネットカフェで自殺サイトにアクセス。大阪府豊中市の無職女性（当時２５歳）を、自殺サイトを使って誘い出してワゴン車内で殺害したとして、今月５日に殺人容疑などで逮捕され、直後に神戸市北区の中学３年の男子生徒ら２人の殺害も認めた。その後、淡々と調べに応じているが反省の言葉はないという。
　一方、捜査本部は１２日、「（無職女性の）かばんなどを大阪府和泉市の光明池に捨てた」との供述に基づき、同池を捜索し、女性のかばんを発見した。【石川隆宣、勝野俊一郎】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050813-00000010-mai-soci