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情報は４枚の画像と注釈から構成されている。
（１）では、７月２９日午前１１時の気象衛星の画像を添付し、「筋雲が整列してかなり緊張している−関東地方から地殻変動活発化」との注釈がある。
（２）で７月２９日午後８時２５分、その地点でマグニチュード（Ｍ）５．６の地震が起きたという情報を提示。雲の発生と地震の関連性を連想させる。
（３）と（４）は震源地の情報らしき画像を載せ、「震源地が関東へ近づいている」とだけ記載されていた。
情報の出所を調べていくと、「７月２３日、関東地方に起きたＭ６の地震予言を的中させたサイトがある」という情報を発見。自称「ｔｏｍａｔｏ三重」という医療・看護・福祉系に勤める女性が管理する地震予知のＨＰが“震源地”らしいことが分かった。
７月３０日付のＨＰの「近未来予言」というコーナーには、（１）地震発生を予見させる雲が発生（２）地殻変動が関東に近づいている（３）新火山口が関東近くで見つかっている−といったほぼ同じ情報が掲載されていた。
これらの理由から「過去のパターンから都心部を取り囲むように地震が発生し始めて来るようです。このままで進行すると８月４日ごろに都心部にＭ７クラスが発生する確率が大きくなってきました！」と結んでいる。
ＨＰでは、７月２１日に「関東・東海・東北の太平洋側で７月２３日午後１時ごろ、Ｍ６クラス」と予告。「２３日の地震を３時間違いで的中させた」としている。これによって、管理人はネットの掲示板で「これから要注目」とたたえられた。
しかし、２９日には「管理人にメールを送ると、月々の会費４０００円を要求された」という苦情の書き込みが続出。「詐欺師」呼ばわりする書き込みもあった。
専門家でも難しい地震予知が、“小娘”に分かるはずもないが、専門家はどう見るか。
地震研究家で、日本地震予知協会の佐々木洋治代表は、「地震が起きる前に発生する地震雲を根拠のひとつにしている。地震雲とは、地震の前に地盤にエネルギーが蓄積して電磁波を放ち、その影響を受けて発生する雲。筋雲はその典型で、震源地から放射状に雲が伸びる。確かに今は地震雲が多く見られ、８月の１−５日あたりに地震が起きる可能性はある」としている。
一方、琉球大学の木村政昭教授（海洋地質学）は「その日に地震が起きないとは誰にもいえない」と前置きしつつ、「ＨＰに記載されている情報はすべて直感的。話としてはおもしろいが、『８月４日』という日付に科学的根拠はない。的中した、といっても、関東で地震が頻発していることを考えると、範囲を広くすれば当たる」と一刀両断した。
ネットで「すごい」とも「詐欺師」ともいわれた管理人。夕刊フジが送ったメールに対し、１日夜、「取材には協力できません」との返信。やっぱり怪しかった。
ZAKZAK 2005/08/02