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2005年07月20日(水) 03時06分

<全銀協>テロ・災害想定 金融システム危機回避に対策毎日新聞

 全国銀行協会は19日、テロや災害など緊急事態が発生した場合、銀行間の資金のやり取りを継続して、金融システム危機を回避、企業・市民活動にも影響が及ばないようにする緊急時対応計画を策定する方針を決めた。金融庁・日銀の金融当局とも緊密に連絡しながら、金融機関の被災状況を迅速・的確に把握、混乱の拡大を防ぐ狙い。欧米の緊急時対応計画を参考に、来年3月までに策定する。
 テロや大災害が発生した場合、金融機関が互いに連絡がつかなくなったりして資金のやり取りに支障が生じ、企業の資金繰りや一般市民にも大きな影響が及ぶ事態も想定される。全銀協が策定するのは「業務継続計画(BCP)」と呼ばれる緊急時対応計画で、テロや大災害が発生した際、金融機関同士が短期の資金を貸し借りする市場をどう維持していくかが柱になる。
 具体的にはインターネット上に専用のウェブサイトを開設。各行の緊急時の連絡先リストを作成し、日常的に閲覧できるようにする。災害が発生した際は、全銀協に設置したBCP事務局が中心となって、各行の被災状況などの情報を集約し、ウェブサイトに掲載。各行は通常の連絡方法が不通になっても、緊急連絡体制を活用することで、資金のやり取りができるようにする。
 また、BCP事務局が日銀や金融庁と協議のうえ、取引や決済時間など通常時の市場慣行の一時的な変更を決定し、各行に「推奨」の形で呼びかける。推奨に強制力はないが「被災時の状況に応じ、決済の延期が柔軟に認められれば、資金繰り面で大きな支援になる」(大手銀行幹部)とみている。
 BCPは、01年9月の同時多発テロで金融市場に大きな打撃を受けた米国や、7月7日の同時爆破テロで被害を受けた英国で既に取り入れられている。ロンドンのテロ発生時には、BCPが金融面での被害を最小限に食い止めることに役立ったことから、日本でも導入が急がれていた。【平地修】
(毎日新聞) - 7月20日3時6分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050720-00000017-mai-bus_all