2005年07月16日(土) 19時47分
<ファンド>投資家保護、HPで注意呼びかけ 金融庁(毎日新聞)
多数の投資家から資金を集めて運用する「ファンド」が、急速に多様化し、既存の法律のワクに収まらなくなってきたことから、金融庁が投資家保護のための対策に本腰を入れている。来年提出予定の「投資サービス法(金融サービス・市場法)」案に、販売や資産管理、運用報告に関する規制内容を盛り込むが、それを待たずにホームページで「ファンド投資に関する注意」を呼びかけている。
ファンドはここ数年、金融技術やIT(情報技術)の発展で急速に多様化。音楽CDやアニメーション、ゲームなどの製作費用を調達するためにファンドを設立したり、サーカスなどイベント開催費用を集めるために設立し、個人投資家から出資を募るなど多彩なものが登場している。
ファンドに出資した投資家は、その運用益を配当として得る仕組みだが、収益を予定通りに得られない場合には、配当をもらえなくなったり、出資金も戻らず損失を被る場合もある。出資だけ募って事業内容を十分に知らせず、配当の支払いなどを拒む詐欺まがいのファンドもあるという。
そうしたファンドの中には、証券取引法や投資信託法といった既存の法律の適用範囲に入らないものも多く、情報開示などに問題があると指摘されている。新法はこうした法のすき間を埋め、投資家保護を徹底するために制定を目指す。
一方、超低金利が長期化していることから、預貯金では得られない高い配当を求めて、ファンドに直接投資したり、ファンドを組み込んだ投資信託を購入する個人投資家は増えている。このため金融庁は、新法制定を待たずにホームページ上で異例の注意喚起を始めるなど、投資家保護に向けた取り組みに着手した。
特に投資家保護の規制がないファンドへの投資を巡っては、「ファンドはどのような契約によってつくられているか」「投資内容とリスクについて、十分な説明があるか」「投資した資金の使途について正確な情報の開示があるか」——などを注意点として列挙。「商品について十分に説明せずに販売しようとするものやファンドの仕組みが理解できないものは、はっきりと断ることが重要」と呼びかけている。【斉藤信宏】
(毎日新聞) - 7月16日19時47分更新
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