2005年07月16日(土) 03時07分
神奈川県警にドリフト警官「見物中、やりたくなった」(読売新聞)
神奈川県警港南署の男性巡査(当時22歳)が昨年6月、車を横滑りさせながら急旋回を繰り返す「ドリフト族」に交じり、真夜中に横浜市内でドリフト行為をしたとして、道交法(安全運転義務)違反容疑で横浜区検に書類送検されていたことが15日、分かった。
巡査は所属長訓戒の処分を受け、依願退職した。県警は「私的な行為」として、立件や処分を公表していなかった。
県警によると、巡査は昨年6月17日午前2時ごろ、横浜市金沢区福浦の市道で、友人を助手席に乗せてスポーツタイプの乗用車を運転。5台前後の改造車に交じり、時速約50キロで交差点に進入し、急旋回するドリフト行為をした。
しかし、2度目の急旋回の際、交差点の角にあった信号制御装置とガードレールに衝突した。巡査らにけがはなかったが、装置とガードレールが壊れた。
現場は工業団地内で、夜中にドリフト族の若者が高速でのコーナーリングの腕を競うことで知られ、多くの見物人が集まる日もあった。工場の夜勤者などから「うるさい」「危ない」と苦情が寄せられ、電柱などを壊して逃げるケースも多いため、県警が以前から取り締まりを実施していた。
この日も数人が周辺でドリフト行為を見物しており、警戒中の金沢署員が事故現場を発見。約10分前に事故を起こし、30メートルほど車を移動させてから戻ってきた巡査が事故を認めた。同署は逃走や証拠隠滅の恐れがないとして、任意で事情聴取したところ、巡査は「友人に誘われ、初めて来て、見ているうちにやってみたくなった。深く反省している」などと話した。巡査はその後、ガードレールなどの損害分約250万円を弁償したという。
ドリフト族を巡っては、見物人が違法行為を助長する側面があるとして、神奈川県は昨年4月、ドリフト族の見物・声援などを禁じる暴走族追放条例を施行。現場周辺では1993年、見物中の若者ら7人がはねられる事故も起きており、「暴走行為助長禁止重点区域」に指定されていた。
巡査は昨年7月1日に書類送検され、後に起訴猶予となった。同8日に所属長訓戒処分を受け、翌日、依願退職した。退職金約28万円が支払われたという。
県警の広瀬誠一・監察官室長は「警察官としてあるまじき暴走類似行為で、適正に処分した」としている。
(読売新聞) - 7月16日3時7分更新
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