2005年07月08日(金) 02時49分
金融庁 金融商品、横断的に規制 悪質業者、強引な販売・勧誘に対応(産経新聞)
新手の金融商品が続々と登場、同時に個人投資家を欺く販売・勧誘が増えていることに対応するため、金融庁の金融審議会(首相の諮問機関)は七日、従来の法制度の枠を超えて金融商品を規制する「投資サービス法」(仮称)の大枠を提示した。販売業者などを規制する法律が縦割りのままで、法のすき間を狙った詐欺的な業者が横行しているためだ。
タレントの育成資金を集める「アイドルファンド」、ラーメン店に投資する「ラーメンファンド」など、新しい金融商品が次々とお目見えしている。こうした金融商品は証券取引法や金融先物取引法など既存の法規制の対象とならないため、悪質な業者による強引な販売・勧誘で損害を被る投資家が後を絶たない。
その代表例として、問題となったのが、「外国為替証拠金取引」だ。平成十年の外為法改正を機に取り扱われ始めたもので、業者に一定の委託証拠金を預け、その額の何倍もの額を外貨取引するというリスクの大きい金融商品だ。
国民生活センターによると、この取引に関する相談件数は十二年の四件から十六年の二千七百八十六件と急増。「電話勧誘でもうかるといわれ取引を始めたが、出資分以上の損失が出た」「営業員に勧められるまま取引していたが、指示通り売買していない」などの相談が相次いでいる。
この取引をめぐる「法の穴」については金融商品販売法施行令の改正などで手当てされたが、金融庁は「新商品に対してモグラたたきのように規制の網をかけていくのには限界がある」と判断。証券取引法などを改組して、金融商品を横断的にカバーする投資サービス法の法制化に向け、金融審で検討を続けている。
今回提示された大枠では、業者については原則、登録制にすることや素人の個人投資家に金融商品を販売する場合は投資家保護を強化する考えなどが盛り込まれた。金融審では来年の通常国会での法制化を目指し、今後、具体的な規制内容を詰める方針だ。
金融庁のほか、経産省、農水省など所管省庁が複数にまたがるため、省益をめぐる省庁間の縄張り争いを懸念する声もあるが、金融庁では、あくまで投資家保護を前提に規制強化を進める考えだ。
(産経新聞) - 7月8日2時49分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050708-00000016-san-bus_all