2005年07月04日(月) 03時04分
<悪質リフォーム>80歳認知症男性、借金などで全財産失う(毎日新聞)
埼玉県八潮市に住んでいた認知症の独居男性(80)が、自宅のリフォーム契約を複数の業者と結んだうえ、年金や自宅を担保に信販会社や消費者金融から2300万円以上の借金を重ねて返済不能となり、自宅と土地を差し押さえられていたことが毎日新聞の調べで分かった。工事には不要と思えるものもあった。1200万円以上の借金はリフォーム会社を転々としていた営業マンがあっせんし、返済に使われずに他人の手に渡るなどした。男性は資産をすべて失い、同県内の施設で暮らしている。
男性は少年時代に頭部を負傷し、脳に障害を負った。01年に認知症と診断された。妻とは10年以上前に死別し、子供もいなかった。
契約書などによると、業者は97年ごろから、男性宅を訪れるようになった。大阪市に本社がある大手リフォーム会社と、部屋増築や屋根の付け替えなど4カ月で4件(計665万円)の工事契約をした。ほかにも1年間で4件のシロアリ駆除・防除工事契約をするなど99年までに少なくとも計7社が12件、約930万円分を契約した。男性は代金を支払うため97年から01年ごろまでに信販会社とクレジット契約を結ぶなど、確認できただけでも計約2340万円の借金を重ねていった。
営業マンは00年7、8月、男性が自宅の土地と建物を担保に不動産ローン会社から計1000万円を借りた際の書面に「立会人」として名前が登場する。借りた金はその日のうちに東京都内に住む別の男の手に渡った。男性が年金を担保に250万円を借りた別のローン契約書には、本人不在の連絡先の欄に「おい」として名前が登場する。
こうして重ねた借金は返済されず、男性宅は01年11月に差し押さえられ今は駐車場となっている。【高本耕太】
(毎日新聞) - 7月4日3時4分更新
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