2005年06月30日(木) 00時00分

気管チューブ誤挿入　８０代女性患者が重体 （東京新聞）

　東京都文京区の東京医科歯科大医学部付属病院で、呼吸困難に陥った八十代の女性患者が、医師が誤って気管チューブを食道に挿入したため重い低酸素脳症となったことが分かった。女性は意識不明の重体という。

　坂本徹病院長が二十九日、記者会見し「こうした事態を招きおわびします」と謝罪。家族に事情を説明し謝罪するとともに厚生労働省や文部科学省、警視庁本富士署などに医療事故として報告したことを明らかにした。

　病院の説明によると、女性は二十一日に同病院で外科手術を受け、集中治療室（ＩＣＵ）にいたが、自発呼吸に移行させるため二十八日午前にいったんチューブを抜管。その後に呼吸困難が認められたため、医師が再び挿管する際、誤って食道に挿入したという。

　心拍数低下などの異常が見られたが、医師らは他の原因を疑って誤挿入に気付くのが遅れ、正しく挿管されたのは約一時間五十分後だった。

　同病院は「正しく挿管されていれば現在の症状は防げたと考えられ、医療事故と判断した」としている。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20050630/mng_____sya_____012.shtml