2005年06月24日(金) 00時00分
サイバー犯罪相談急増 県警、注意呼びかけ(朝日新聞・)
架空請求、オークション詐欺、不正アクセス——。インターネットを利用した「サイバー犯罪」に歯止めが掛からない。県内の消費生活センターなどへの相談も増加の一途だ。実態がつかみにくいネット世界で暗躍する「姿無き犯罪」とされ、県警サイバー犯罪対策室は「知らぬ間に巻き込まれるネット犯罪の怖さを知って」と注意を呼びかけている。(金子智彦)
県警によると、昨年寄せられたサイバー犯罪に関する相談件数は650件で00年と比べると約2・3倍。03年の894件より減ったとはいえ、身に覚えのない請求が届く「架空請求」など、手口は悪質かつ巧妙化しているという。仙台市消費生活センターに寄せられた不当請求に関する相談件数は昨年度、前年度比1・75倍の1万8605件に上った。
相談では、ほかにパソコンや携帯画面上のアドレス、バナー広告などを1回クリックしただけで入会料などを請求される「ワンクリック詐欺」、ネットオークションで落札したのに品物が届かない「オークション詐欺」の被害が目立つ。
「勝手にメンバー登録された」。今年3月、県消費生活センターに仙台市内の男性(31)から相談が寄せられた。携帯電話のサイトにアクセスしていたら突然、登録料を請求されたという。結局、この男性は督促に追われ、3回にわたって計44万3千円を口座に振り込んでしまったという。同センターに昨年寄せられた不当請求の相談件数は7643件。03年の4484件から急増した。
不当請求への対策は「とにかく無視」。県警によると、多くは正式な契約手続きを踏んでいないため、金を支払う必要は無いという。
いつでもどこからでも利用できるというネットの利便性は、犯罪捜査を困難にする危険もはらんでいる。不特定多数の人間が利用するネットカフェもその一つだ。
仙台市青葉区内のあるネットカフェでは、不必要なファイルやプログラムを残さないため、客が利用するごとにパソコンを再起動させて初期化する。しかし店長は「出来るのは店のパソコンを外部の攻撃から守ることだけ」。会員制で利用者に身分証の提示を求めている他店の店長も「ウイルスをばらまくなどネット上で何かされれば実質防げない」と話す。
5月には、県警のホームページのメールアドレスを使った不審なメールが不特定多数のパソコンに数回発信されるという出来事も起きた。
今月17日、県警は県内のプロバイダー事業者など11社を集めた協議会を開き、被害防止のために連携することを確認した。すべての県立高校向けに、不正アクセスに関する啓発ビデオも配布したという。
県警は「対策に完全なものはない。個人情報を盗まれる危険性を十分認識してネットを利用してほしい」と話している。
(6/24)
http://mytown.asahi.com/miyagi/news02.asp?kiji=6991
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