2005年06月23日(木) 15時54分
原発情報ネット流出 点検会社社員PC、ウィニーウイルス感染(産経新聞)
関西電力の美浜原発や北海道電力泊原発、九州電力川内原発などの点検作業に関する内部情報が、インターネット上に大量に流出していたことが二十三日、分かった。点検を請け負った三菱電機(東京都千代田区)の子会社「三菱電機プラントエンジニアリング」(東京都台東区)の社員のパソコンが、ファイル交換ソフト「ウィニー」のウイルスに感染したのが原因という。
三菱電機プラントエンジニアリングによると、社員は同社エンジニアリング本部の神戸回転機事業所(神戸市)に勤務する三十代の男性技術者。原発などの保守点検を手がけている。
内部情報を保存した私用のパソコンでウィニーにアクセスし、ウイルスに感染して情報がネット上に流出したという。パソコンは男性社員の個人所有で、点検作業の際に発電所に持ち歩いていたとみられる。
流出したデータは、美浜原発や関西電力大飯原発の定期点検工程表のほか、泊原発2号機や川内原発1号機の定期検査の工事報告書や外部には公開していない作業手順、検査結果の記録など過去約四年分の機密データ。
関西電力は三菱電機に、情報管理の方法を調査して説明するよう要請。関西電力は「(男性社員の)職務から考えて、核物質に関する情報は持っていないので、核防護上、問題になる情報の流出はない」としている。
三菱電機広報部は、「現在、全容確認を急いでおり、結果を踏まえてパソコンの使用基準を厳しくするなど再発防止策を講じたい」と話している。
■ウィニー インターネットを通じてデータを交換できるファイル交換ソフトの一つでサイト上で無料ダウンロードが可能。送られるファイルは次々にネット間をリレーされることで匿名性が高い。パソコンに業務上の秘密情報を取り込むと知らないうちに外部に漏れる危険性もある。コンピュータソフトウェア著作権協会によるとファイル交換ソフトの利用者は今年1月に100万人を突破するなど増加している。「違法コピーの温床」と指摘され、開発者が昨年、著作権法違反で逮捕されている。
(産経新聞) - 6月23日15時54分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050623-00000025-san-soci