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2005年06月22日(水) 23時42分

<カード情報流出>国内のビザ、不正使用被害9100万円に毎日新聞

 米国で起きたクレジットカードの会員情報漏えい問題で、ビザ・インターナショナル東京事務所は22日、日本国内の提携カード会社が受けた不正使用による被害は838件、83万8856ドル(約9100万円)にのぼると発表した。経済産業省は同日、不正使用の被害は約530件、約6500万円と発表したが、ビザだけでこれを大きく上回る。マスターカードなどでも既に、合わせて約2700万円の不正使用が判明しており、国内の被害総額は1億2000万円近くに達する。
 ビザ関連の国内被害のうち180件、11万4000ドル(約1236万円)は店頭以外でカードを使ったインターネット取引などだった。同事務所のダニエル・リンツ広報部長は「偽造やなりすましなどの被害について、消費者の負担は発生しない」と説明した。
 同事務所は、日本を含めたアジア太平洋地域では約20万件の不正使用があり、被害総額は290万2396ドル(約3億1500万円)にのぼることも明らかにした。損害を最終的に誰が負担するかについて同部長は「基本的にはカード会社だが、重過失があれば漏えいした情報処理会社に請求することもあり得る」と述べた。
 同事務所や経産省はカード会社別の被害実態は公表していないが、毎日新聞の集計で、オリエントコーポレーションで741万円▽セントラルファイナンスで445万円▽UCカードで325万円などの不正使用が新たに判明した。
 カードブランド別の不正使用はビザ以外では、マスターカードが約2500万円(178件)、JCBは約200万円(4件)。ほかにJCBブランドでイオンクレジット発行のカードで4万円(1件)。
 また、経済産業省によると、情報漏えいの可能性があるのは、マスターカードとの提携会社が26社計2万1000枚、ビザカードが12社計4万6000枚。さらに、マスターやビザとは無関係にJCBで31枚、ダイナースで15枚の漏えいの可能性がある。
 ◇大丈夫? 経産省の情報収集能力
 クレジットカードの情報漏えいによる国内での不正使用被害を巡り、経済産業省が22日、ビザ、マスターカード、JCB合計で約6500万円との集計結果を発表した直後に、ビザ・インターナショナル東京事務所がビザ提携カードだけで約9100万円になると発表した。経産省は、ビザからの最終的なまとめを受け取っていなかった模様で、監督官庁としての情報収集能力に疑問符がつく格好になった。
 信販事業を所管する経産省は先週末に問題が発覚して以来、情報収集を続けてきた。また、金融庁も、銀行系カードへの影響があるとして重大な関心を示してきた。しかし、週明けになっても、被害の全体像が明らかにならなかったため「金融庁や捜査当局などが、カード会社などに調査を急ぐよう求めた」(関係者)という。
 そして、この日になって経産省は「現段階でまとめたもので、修正が入る可能性がある」と前置きしながらも、初めて不正使用額の合算を発表した。それがあっけなく覆され、面目をつぶされた形になった。【小島昇、古田信二】
(毎日新聞) - 6月22日23時42分更新

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