2005年06月18日(土) 14時52分
<福沢諭吉>印鑑メーカーに商標登録無効とする審決 特許庁(毎日新聞)
慶応義塾の創設者で思想家の福沢諭吉を商標登録していた山梨県の印鑑メーカーに対し、学校法人慶応義塾(東京都港区)が登録無効を求めていた審判で、特許庁はこの請求を認め、「福沢諭吉」の商標を無効とする審決を出していたことが18日分かった。
特許庁や印鑑メーカーによると、1994年に漢字で横書きした「福沢諭吉」をメーカーが出願登録し、審査を経て98年に登録された。メーカーは印鑑や表札のサンプルに利用していた。これを知った慶応義塾が04年に審判を起こしていた。
審決(5月31日付)は、「福沢諭吉は明治時代の啓蒙(けいもう)思想家で『学問のすすめ』などの作品で知られ、国民一般に敬愛された人物」との認識を示した。そのうえで、「遺族などの承認を得ることなく商標登録することは、著名な死者の名声に便乗して『福沢諭吉』の使用を独占することになり、故人の名声・名誉を傷つけ、公正な取引秩序を乱すおそれがある」と、一度認めた商標登録を無効にした。【小島昇】
(毎日新聞) - 6月18日14時52分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050618-00000047-mai-soci