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判決に対する中田宏市長のコメントはごく短いものだった。「判決を契機に個人情報の保護という観点から、議論が国会をはじめ各方面で十分尽くされることを期待したい」。「画期的な判断」「価値ある判決」と高く評価した東京都国立市(住基ネット離脱)の上原公子市長や杉並区(不参加で選択制求め訴訟中)の山田宏区長と比べ、淡泊な反応だった。
真っ先に「市民選択制」を導入した市の方針を支持した判決と歓迎するかと思えばそうでもなかった。実は市は自らの方式を「横浜方式」と名付け、「市民選択制ではない」と主張している。
これは、法律を盾に住基ネットへ参加を迫る総務省とのせめぎ合いの中で、「将来の全員参加を前提」としつつ、「現段階では個人情報保護の総合的な安全性を確認できないため」、限定的に個人が不参加を申し立てることができる、との論理をとっているからだ。
受付期間(二〇〇二年九−十月)に申し立てなかった人に、個人の意思で住基ネットを離脱することは認めておらず、転入者も最初の一カ月をのぞき、選択する権利は与えていない。
市は「『総合的な安全性』が確認できたら、個人の意思と関係なくすぐにでも全員参加する。参加、不参加の権限は個人にはなく、あくまで市にある」と主張する。
今回の判決は、プライバシー権には自己情報コントロール権があるとして、離脱を求める個人には強制できないことを指摘。「権限は市にある」とする“横浜方式”も突き抜けた。
市のある幹部は、「個人情報保護への不安という点では一緒だが、原告と市の立場は違う」と答えにくそうな様子。別の幹部も「国会の議論などを含め見守りたい」とした。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20050531/lcl_____kgw_____003.shtml