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2005年05月23日(月) 00時00分

PCサイト閲覧ソフト「jigブラウザ」が話題 鯖江拠点の会社が携帯電話用に開発 東京新聞

 パソコンでインターネットはもう古い? 携帯電話を使ってパソコン向けのホームページにアクセスできるインターネット閲覧ソフトウエア(フルブラウザ)「jigブラウザ」がいま、話題を呼んでいる。同サービスを運営しているのは鯖江市に開発拠点を置く「jig.jp(ジグ・ジェイピー)」(本社東京・千代田区、福野泰介社長)。簡単な操作性と持ち運びやすさが特色の携帯電話が今後、パソコン並みの情報端末に生まれ変わる可能性を秘めている。 (田中 宏幸)

 携帯電話でのインターネット接続サービスは、NTTドコモの「iモード」、KDDI(au)の「EZweb」などがある。しかし携帯電話でのインターネット接続には、画面サイズ、データ容量などの制約から、パソコン向けサイトの表示は難しく、携帯電話専用サイトへの接続が中心。ニュースや地図検索、路線情報など、パソコン向けサイトでは無料の情報が、携帯電話専用サイトでは登録制の課金システムになっていることが多く、パソコン向けサイトに比べ、全体的に情報量も少ない。

 「jigブラウザ」はほとんどのパソコン向けサイトをそのまま表示することができる。携帯電話の直観的な使いやすさにこだわり、データの大きいサイトも素早く表示する。利用料金は年額六千円だが、昨年十月にサービスを始めて以来、登録者は増え続けている。現在のところ、対応端末はNTTドコモとauの一部機種だが、サービスの幅は着実に広がっている。

 jig.jp社は二〇〇三年五月に設立。福野社長は鯖江市出身の二十六歳で、福井高専卒業生。同社は二十代のメンバーが中心となって運営し、開発センターのある鯖江市内の事務所では、福野社長と同じく福井高専OBの社員数人がソフトウエアの開発に当たっている。「jig」は、アイルランドの軽快なテンポの民族音楽から名付けた。現在、同ブラウザの登録者は約二万五千人で、月の入金ベースで千五百万円の収益になるという。当初はIT情報に詳しい二十代後半を客層とみていただけに、若年層を含めた幅広い利用者層は「予想よりもはるかに大きい反応」(福野社長)と手応えを感じている。

 携帯電話のフルブラウザ普及は、従来の携帯電話専用サイトの課金システムに風穴を開ける可能性がある。同時に、インターネットがこれまで以上に生活に溶け込んでくることになる。一方で、外国製フルブラウザの日本進出、新たに独自のフルブラウザ開発に乗り出す国内企業など、フルブラウザ市場の競争が活発化しつつある。

 福野社長は「携帯電話がこんなふうにも使えるんだ、という認識が広まる」と歓迎しながらも、「携帯電話はパソコンよりも一般向けのため、より簡単にやりたいことを実現できるよう、ソフトの洗練性も求められる」と指摘する。競争が激しくなることで、他の製品と比較して選ばれるために「ユーザーの立場で、最短の期間で素早く最新のサービスを提供できる強みを売りにしたい」と話す。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/fki/20050523/lcl_____fki_____002.shtml