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同時に金融庁は、不祥事を組織ぐるみで隠すなど内部管理体制に重大な問題があったとして、銀行法に基づく厳しい行政処分も発動し、経営責任の明確化と内部管理体制の再構築などを求める。
こうした処分を踏まえ、みちのく銀は大道寺小三郎会長を含む経営陣が総退陣し、経営体制を刷新する方針を発表する。みずほグループなどに役員の派遣を要請している。
みちのく銀は今年四月、個人や法人を含めた国内の全取引先に当たる約百三十一万件の顧客情報が入ったCD−ROM三枚を紛失。これには氏名や住所、電話番号、生年月日のほか、預金残高や貸出金残高の情報が入っていた。
また、みちのく銀は今年二月から五月まで実施された金融庁検査で、社内の不祥事を組織的に隠ぺいしたり、特定の大口融資先向けの不適切な融資実態を隠したことなど多数の法令違反を指摘されていた。
みちのく銀は今年四月に今年三月期決算の業績予想を修正。検査で大口融資先の不良債権処理を迫られたことで、単体で九十五億円の最終赤字に転落することを発表。ただ銀行の健全性を示す自己資本比率は10%台を維持しており、資産内容は健全な状態にある。
みちのく銀は二〇〇二年六月、青森県住宅供給公社を舞台とした横領事件でのチリへの送金をめぐる資金洗浄問題で、〇三年九月には元行員の横領事件で、それぞれ銀行法の業務改善命令を受けている。
<メモ>
個人情報保護法 個人情報の適正な取り扱いを求めた法律で、4月から全面施行された。5000件を超える個人情報データベースなどを持つ民間企業や団体(報道機関を除く)には(1)利用目的を特定し、その範囲を逸脱しない(2)不正な手段で取得しない(3)漏えいなどの防止措置を講じる−などの義務を課した。違反した場合は、監督省庁が中止や是正を勧告、命令し、従わないと懲役や罰金が科せられる。政府は、情報が漏れると特に影響が大きい金融、医療、情報通信を重点3分野と位置付けている。
みちのく銀行 1976年に青和銀行と弘前相互銀行が合併し誕生した青森県を地盤とする地方銀行。昨年9月末時点で、同県のほか近隣の北海道や岩手、秋田県など国内に117店舗を持ち、預金残高は約1兆8000億円、従業員数1242人。
大道寺小三郎会長がモスクワやハバロフスクなどロシアへの進出を推進、現地で住宅や自動車ローンの取り扱いを行うなどユニークな経営で知られる。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sei/20050520/mng_____sei_____005.shtml