2005年05月18日(水) 02時49分
出会い系、中学生にも“浸透” 利用1.8%、3割「会った」 PTA全国協調査(産経新聞)
防げぬネット有害情報
中学二年生の四人に一人が「出会い系サイト」の広告メールなどを受け取ったことがあり、全体の1・8%が実際に利用していることが十七日、日本PTA全国協議会(赤田英博会長)の調査で分かった。利用した子供の約三割が実際に「会ったことがある」と答え、うち六割は三人以上と会うなど恒常的に利用している実態も明らかになった。ネットを通じて知り合った少女を監禁する事件が相次ぐなか、同協議会は「大人が知らない子供の世界がネット上に広がっている」と懸念を深めている。
全国の中二の三千人を対象に行われた調査では、出会い系を利用したことがあるのは男子が1・4%、女子が2・1%。
出会い系サイトを使う目的は「異性の友人をつくるため」が男女とも四割を超えた。男子は「興味本位」が約四割にのぼる半面、女子は「同性の友人を作る」「悩みを相談する友人をつくる」も四割を超えており、ネット上で心のつながりを求める傾向も浮かぶ。
調査では携帯電話・PHSの所有率は36%にのぼっているが、男子の半数以上がパソコンから出会い系を利用しているのに対し、女子は七割が携帯電話から利用していた。
一方、インターネットで暴力的、性的な描写、他人の誹謗(ひぼう)中傷の情報を見たことがあると答えた子供はそれぞれ12−13%で、5%は犯罪の手口に関するサイトを見たことがあると答えた。
子供が家庭でインターネットを使う際、「親が一緒にいる」と答えた子供はわずか6%で、八割以上は「自由に使わせてくれる」と答えている。インターネットに関して、親子で話すと答えたのは35%にすぎず、子供がネット上の有害情報から守られていない状況も明らかになった。
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「親は自分の子供だけは大丈夫と思いすぎている」
子供とインターネットの関係に詳しい国分明男・インターネット協会副理事長は、そう警鐘を鳴らす。背景には親子間のIT知識の格差がある。
「現代っ子は幼いころからコンピューターや携帯電話に接する一方で、親はITに疎く、親子間の情報格差が大きい」という国分氏は、「有害サイトを利用できないようにするソフトがあっても、親が使い方を知らないため、子供を守る決め手にはなっていない」と指摘する。
たとえば出会い系サイトには、無差別に送られるメールのアドレスをクリックすれば簡単にたどり着く。「学校の宿題などでまじめな調べものをしていても、検索方法によってはアダルトサイトに行き着くこともある」という。
こうした実情を受けて、同協会は今月から「子供のためのインターネットにおけるルール&マナー検定」を開いた。協会のホームページで、無料で受けることができる。「インターネットで知り合った人から会おうとメールが来たら」など、実例に即して、対処法を学ぶことができるという。
国分氏は「まずは親が、子供がネットを通じてどんな情報に接しているか理解すべきで、子供に教えを請いながら、家庭内でコミュニケーションを密にすることが、子供を有害情報から切り離す近道」と指摘している。
(産経新聞) - 5月18日2時49分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050518-00000020-san-soci