2005年05月05日(木) 23時23分
<誤認逮捕>偽被害届けで男性会社員を 埼玉県警所沢署 (毎日新聞)
埼玉県警所沢署は5日、うその被害届けを信じ、会社員の男性(58)を強盗容疑で誤って逮捕してしまった、と発表した。同署は男性を釈放して謝罪するとともに、うその被害届をでっち上げ、実際は男性から財布を奪ってけがをさせたとして、同県所沢市内の無職の少女(18)と自称同県狭山市在住の無職の少年(同)を軽犯罪法違反(虚偽申告)や強盗傷害容疑で捜査している。
調べでは、少女は5日午前0時ごろ、所沢市東狭山ケ丘2の市道で、「自転車で通行中、男に襲われ、前かごから財布を奪われた」と近くの同署狭山ケ丘交番に駆け込んだ。署員2人が現場に駆けつけ、少女が説明した人相や着衣と一致する男性が歩いているのを見つけ、職務質問した。
男性はズボンのポケットから少女の財布を取り出し「拾った」と答えたうえ、その後、少女に確認したところ「間違いない」と話したたため、同日午前0時45分ごろ、男性を強盗容疑で緊急逮捕した。男性は同市内で酒を飲み、酔っていたという。
ところが、逮捕後の調べに対し、男性は容疑を否認し、少女と一緒にいた友人の少年にも説明を求めたところ「うその届け出をした」と認めた。このため、同日午後1時半、約13時間ぶりに男性を釈放した。
男性は「自転車が背中にぶつかり、財布をとられた」と話し、ひざに軽傷を負っているという。少女は現場近くで自分の財布を落としてしまい、男性から財布を奪ったことが判明してしまうことを恐れ、少年と共謀して事件をでっち上げたとみている。
加藤久夫・所沢署長は「申告をうのみにしてしまい男性にはご迷惑をかけた。今後このようなことがないように注意したい」と話している。【酒井祥宏】
(毎日新聞) - 5月5日23時23分更新
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