2005年04月26日(火) 13時19分

公営団地の自治会、退会は自由…最高裁が初判断（読売新聞）

　公営団地の自治会を自由に退会できるかどうかが争われた訴訟の上告審判決が２６日、最高裁第３小法廷であり、浜田邦夫裁判長は「自治会は、快適な環境の維持や会員相互の助け合いを目的として設立され、強制加入団体ではないから、会員はいつでも一方的に退会することができる」との初判断を示した。

　埼玉県新座市の県営団地の自治会が、退会した男性に、共益費と会費計７万２０００円の支払いを求めていた。第３小法廷は、退会は許されないとして請求全額の支払いを命じた１、２審判決を破棄したうえで、退会後の会費を除く、共益費など６万５７００円の支払いを命じた。

　賃貸の公営団地などでは、行政側が共益費の徴収などを自治会に委託しているため、入居者が事実上、加入を強いられるところが多く、判決は自治会運営に影響を与えそうだ。

　判決などによると、男性は１９９８年に入居したが、２００１年３月から月額２７００円の共益費と３００円の会費を自治会に支払わなくなり、同年５月に退会した。会費は自治会の運営、共益費は階段灯の電気料金など共用部分の維持管理に使われるが、判決は、退会した場合でも共益費は支払うべきと指摘した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050426-00000305-yom-soci