2005年04月24日(日) 02時47分
ウイルス対策でPC障害 問い合わせ7万件(産経新聞)
共同通信など全国の報道機関やJR東日本などで二十三日午前、パソコンが起動しなくなったり社内LANに接続ができなくなったりするトラブルが相次いだ。トレンドマイクロ社(東京)のウイルス対策ソフト「ウイルスバスター」の更新ファイルに不具合があったことが原因とみられる。
一般家庭のパソコンでも同様のトラブルが起き、同社には企業や個人から七万件を超える問い合わせ電話が殺到した。深夜までに二十一社で被害が確認された。ウイルスバスターは新しいウイルスに対応するため日々更新ファイルが提供されているが、安全意識の高い利用者ほど被害を受ける皮肉な結果となった。
トレンドマイクロ社は同日夜、記者会見し、大三川彰彦・執行役員日本代表が「多大なご迷惑をおかけし、大変申し訳ない」と謝罪。同社によると、午前七時半ごろ公開した更新ファイルに不具合があり、更新したコンピューターの動作が著しく遅くなったという。同社は午前十一時ごろ、正常な新ファイルを公開。ホームページ上でコンピューターの復旧手順などを掲載した。
午前に起きた障害は、共同通信で午前八時二十分ごろ発生、加盟社への記事配信システムがストップ、午前十一時すぎに復旧した。この間、重要記事はファクスで配信した。JR東日本は午前八時ごろ、直営旅行代理店「びゅうプラザ」で障害が発生。訪れた客には各駅の「みどりの窓口」で切符を購入するよう案内した。ほかに朝日新聞やホテルニューオータニなどでも一部に障害が出た。産経新聞でもパソコンの一部から社内LANに接続できない状態になった。
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ウイルスバスター トレンドマイクロ社製のウイルス対策ソフト。パソコンにインストールして、コンピューターウイルスの侵入を防いだり、パソコンに感染したウイルスを駆除したりする。国内で多く使われている対策ソフトの一つ。新しいウイルスが出回るたびに、インターネットを通じて、ウイルス発見のための更新ファイルが自動的に配布され、最新のウイルスにも対応できる仕組みになっている。
(産経新聞) - 4月24日2時47分更新
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