悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2005年04月18日(月) 00時00分

就職サイトで情報交換 学生が昨年開設2500人利用 ダチンコが東京で開いた、就職活動学生の情報交換会 東京新聞

 いま、インターネットの世界で話題のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サイト)を知っていますか? 友人の友人は友人…という具合にネットでつながった人々の“社交の場”のことだ。昨年、慶応大の学生が世界で初めて就職活動に特化したSNSサイト「就活SNS・Dachinco!(ダチンコ)」を開設し、現在、全国約二千五百人の学生が情報収集などに活用している。

(慶応大環境情報学部四年・室井瑛理子)=肩書はすべて三月時点

 SNSは米国で始まり、いまや百万人規模のSNSがあるなど、世界中に広がっている。出会い系サイトにも似ているが、出会い系が不特定多数との出会いを求めるのに対し、SNSは出会いそのものより人との縁を大事にする。友人の紹介がなければサイトに登録できないため、信頼できる人同士のネットワークであることが特徴だ。

 国内では、mixiやGREEなどのSNSが有名。これらが年齢や職業がばらばらな集まりであるのに対し、ダチンコは就職活動というテーマに絞った学生の集まり。就職活動で知り合った学生たちが、そこで生まれた友人関係を次の活動に生かすことができる。また社会に出てからも、業界に幅広く交友関係を持つことはプラスになる。

 ダチンコの意味は「人と人とが繋(つな)がるきっかけをつくる、トモダチとのコミュニケーションツール」。このプロジェクトは二〇〇四年五月、就職活動を終えた慶応大などの四年の有志六人で発足した。十月にサービスを開始、その後口コミで広まった。ダチンコを通じて希望企業の内定者を紹介してもらい、その人も無事内定をもらったという話もある。現在の会員の内訳は、首都圏が七割、関西が二割で、男女比ではやや男性が多い。

 ダチンコ代表の平尾丈さん(同大環境情報学部四年)は「自分の就職活動を通して初めて見えてきたものがあった。失敗した人は一人で活動している場合が多く、立派な広告を見ただけでいい企業と思い込んだり、情報交換サイトの根も葉もないうわさに振り回されたりしている。社会のシステムや今の就職活動のあり方に一石を投じたいと思った」と、ダチンコ開設の動機を語る。

 ダチンコでは、友人のリストなどの基本機能に加えて、二百社以上のエントリー(応募)締め切り情報を載せた「就職活動カレンダー」や、企業の採用サイトのリンク集、情報交換のための業界別コミュニティーなど、就職活動生に役立つ情報を充実させた。「就職活動している学生が『あったらいいな』と思うものを形にした」と平尾さん。

 ダチンコでいつも盛り上がるのが「つぶやき機能」。いわば短い日記のようなものだ。「明日は二次面接です」と書き込むと、すかさず「自信を持って頑張って!」「うまくいくといいね」などの応援メッセージが寄せられる。また、「今日は〇〇社の説明会に行ってきた」と書き込むと、「私は明日参加。どうでしたか」といった具合だ。わざわざ人に話すほどではないけれど、誰かに聞いてもらいたいという心理をうまくつかみ、一日の書き込みが四百近くにも上る。

 ダチンコを利用するある学生は「就職活動中は忙しく、友達と会う時間もないので孤独になりがち。気軽に友達とやりとりができ、応募書類を書く合間のいい気分転換になる」と話す。

 相手の素性が分かっているので、情報の信頼性も高い。これがダチンコのねらいだ。しかし、就職活動中に限らず、他にもこのネットワークを生かす用途はありそうだ。このため、社会人になってもダチンコを引き続き利用可能にする方針だという。

「慶応デジ組」のサイトhttp://ktai.sfc.keio.ac.jp/digi/

「就活SNS」のサイトhttp://www.dachinco.com/


http://www.tokyo-np.co.jp/00/dgi/20050418/ftu_____dgi_____000.shtml