2005年04月15日(金) 16時36分

振り込め詐欺訴訟：口座名義人の責任認定、１２０万円支払い命令−−地裁　／富山（毎日新聞）

　「振り込め詐欺」の被害に遭った富山県滑川市の５０代の女性が、振込先の銀行の片仮名の口座名義人を相手取り、被害金など１２０万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が１４日、富山地裁であった。永野圧彦裁判官は「被告の口座名義人は、詐欺に使用されると分かった上で、口座を（第三者に譲り渡すなどして）流通させたと推定できる」として名義人の責任を認め、１２０万円の支払いを命じた。口座は凍結されており、裁判所が差し押さえ命令を出し、口座に残高があれば、被害金が返還される見込み。
　女性は昨年８月、「娘が交通事故を起こし、保釈金が必要」との虚偽の電話を受け、１００万円を指定された銀行口座に振り込んだ。詐欺に気付いた女性は滑川署に被害届を出し、口座を凍結。女性は昨年１０月、口座名義人の「ヨシザワジュンイチ」を相手取り富山地裁に提訴したが、同地裁は「住所、氏名が未特定」として却下した。
　女性は、名古屋高裁金沢支部に即時抗告し、同支部は地裁命令を取り消した。同支部の決定を受けて同地裁は、銀行に照会し、口座名義人を関東地方の人物と特定。裁判が始まったが、口座名義人は一度も出廷せず、答弁書も提出しなかった。【藤原崇志】

４月１５日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050415-00000223-mailo-l16