2005年04月07日(木) 17時01分
牧師婦女暴行:早急に聞き取り調査、子どものケア急務−−府 /京都(毎日新聞)
宗教法人指導者が信者の少女への婦女暴行容疑で逮捕された事件。被害が多数の子どもに及ぶ可能性があり、府内に大きな衝撃が広がっている。府など行政機関は実態把握を進めており、カウンセリングなど傷ついた子どもたちのケアも急務だ。
聖神中央教会は87年12月、宗教法人として府の認証を受けた。監督を担当する府文教課によると、98年に寄付を強要しているとの情報があり、適切な運営を指導した経緯があるという。今回の事態を受け、府は聞き取り調査などを早急に行う。一方、府こども未来室では、多くの子供が被害に遭ったとみられることから、府警と連携し、教会施設に保護が必要な児童がいるかどうか調査を進める。児童相談所などに児童を移すことも検討するという。
宗教法人法は、著しく公共の福祉を害する違法行為があった場合、監督庁(今回は府)の請求により、裁判所が法人の解散を命令できると規定。ただ、事前調査の際に国の審議会の了承を必要とするなど「信教の自由」の観点から手続きは厳格だ。府文教課の担当者は「客観的に法令違反の事実が明らかになれば解散命令も視野に入る。ただ、現時点では容疑者も否認しており、警察の捜査を注視したい」と言う。
◇実態不明
聖神中央教会は、八幡市内の国道1号に面した目立つ場所にある。信者らは京阪八幡駅前で楽器を演奏するなどし、布教活動を行っていた。教会周辺で子どもの姿を見かけた住民もいたが、実態は不明だった。
教会の近くに住む無職男性(63)は「日曜は子どもが多く、サッカーなどをしていた」と話す。礼拝参加者の迷惑駐車などのほかは住民とのトラブルはなかったという。
八幡駅前の観光案内所の女性は「大声で教義を説いたり、ビラ配りなどをしていた。勧誘活動への苦情には素直に応じていた。まじめそうな若者が多かった」と話す。
◇被害者の有無を収集−−八幡市教委
事件を受け、八幡市教委は6日、市内の15小中学校などを通じ児童・生徒に被害者がいないかどうかの情報収集を始めた。市教委は「万が一被害者があれば、府教委と連携して専門のカウンセラー派遣の要請などを検討したい」としている。
4月7日朝刊
(毎日新聞) - 4月7日17時1分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050407-00000265-mailo-l26