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2005年04月06日(水) 09時31分

「許せない。厳罰を望みます」 牧師、性的暴行疑惑京都新聞

 「主管牧師の行為は絶対に許せない。厳罰を望みます」。教団トップの女児への性的暴行という日本では前例のない疑惑が持たれている京都府八幡市の新興宗教法人「聖神中央教会」。組織の運営に不信を感じ、脱会した元信者の声は怒りに震えていた。疑惑を知る関係者は「被害実態はつかめないほど大きい。地位を利用した最悪の事件で、徹底した追及が必要だ」といい、きょう6日にも着手される京都府警の強制捜査の行方を注視している。
 脱会信者を支援している関係者によると、疑惑が発覚したのは子ども同士による電子メールだった。「メールのやりとりで互いになぐさめ合っていたのを第三者が見つけた」
 被害者は被害感覚をまひさせる言葉を教え込まれ、親にも話していなかったという。なかには見知らぬ男性におびえたりする子もおり「子どもはいやなことなので記憶の深いところに封印している。こんなに上手に忘れられるかというぐらい」と見えない傷の深さを懸念する。
 大阪府の元信者は主管牧師が複数の女児を暴行した手口や女児に「これは祝福だから喜びなさい」と話したという口封じ工作を証言した後、「今でも許せない気持ちでいっぱいだ」と語気を強めた。
 京都府の元男性信者は数年前、妻とともに入信。礼拝で牧師が「悪魔よ出て行け」と叫ぶと、信者がうめき声を上げてばたばたと倒れる様子に疑問を持った。しかし妻は八幡市の教会本部で他の信者と共同生活を始めるなどのめり込んだ。男性は「妻を何とか連れ戻したが、信者には家庭崩壊した例が多い。教団は迫害を乗り越えた美談として正当化した」と振り返る。
 支部教会ごと教団から脱退させた元関係者は「10年ほど前から教団の運営がおかしくなった。主管牧師はどんどん神格化され、ワンマンになった。やめると救いがなくなると悩んだが、今はこの教団はカルトだと思っている。早く忘れたい存在だ」と苦しげに語った。
 ■アメリカでは社会的問題に
 宗教団体という場で児童が受けた被害や傷は容易に発覚せず対応も難しい。宗教的な権威や入信した親の意向に逆らえず、外部に声を上げられない子どもが多く、社会問題となっている。
 米国では2002年、ボストンを契機に各地でカトリック教会の聖職者による子どもへの性的虐待が発覚。4000人以上の子どもが被害にあったとされる。虐待を知りながら放置していた教会側の姿勢が問われ、全米規模の社会問題に発展した。
 日本で宗教法人内の児童虐待が刑事事件になった例はないが、1995年、オウム真理教(現アーレフ)の山梨県の教団施設で暮らしていた信者の子ども53人が児童福祉法に基づき、児童相談所に保護された。栄養不良の児童も見つかった。また自己啓発セミナー主催団体「ライフスペース」でも99年、東京の団体施設で集団生活を送っていた子ども9人が保護されている。
 ■影響計り知れない
 京都弁護士会子どもの権利委員会委員長の安保千秋弁護士の話 極めて特殊な事件だ。一般的な通りすがりの被害とは異なり、子どもが身近でかつ宗教的に崇高な存在に暴行を加えられたのであれば、その子どもの社会や大人への「信頼」に与える影響は計り知れない。信仰と被害の両面から慎重なケアが必要になってくる。教団施設に住んでいる子どもがいるのなら、過去の宗教絡みの事件で強制捜査が行われた時と同様、児童相談所が児童福祉法に基づく立ち入り調査をしたうえで1時保護する必要があるかもしれない。
(京都新聞) - 4月6日9時31分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050406-00000002-kyt-l26