2005年04月06日(水) 15時10分
逮捕の朝も礼拝、胸を張る 聖神中央教会性的暴行事件(京都新聞)
永田容疑者が代表を務める聖神中央教会。女性暴行容疑で京都府警が捜索に入った(午前7時40分、八幡市下奈良)
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「私は主(しゅ)に選ばれた者」。自らをそう語り、信者に絶大な影響力を誇った「聖神中央教会」(京都府八幡市)主管牧師の永田保容疑者(61)。京都府警はこの影響力を逆手に信者の少女に性的暴行を行っていたとみて6日、逮捕に踏み切った。朝の礼拝を終えたばかりの信者は牧師が警察に連行される姿を目の当たりにし、ただぼうぜんと立ちつくした。一方、元信者らは被害者の会を結成。少女らの心に深く刻まれた傷は癒えないままだ。
教えを説くはずの教会が、牧師の逮捕現場となった。午前6時20分。礼拝を終えた永田容疑者が、詰めかけた報道各社の前に姿を現した。教会施設はかつてレストランだった建物を改装。ガラス張りの広間で席にゆっくりと腰を落ち着けた。カメラのフラッシュに少しまぶしそうなしぐさを見せながらも、動揺することなく胸を張った。
報道陣が質問に入ろうとしたその時、踏み込んできた捜査員が会見に割って入った。「永田さん」と呼びかけ、警察手帳を見せる。記者からは「待って」「事件について何か」と質問が飛び交う。もみくちゃになりながら捜査員と別室に入った永田容疑者は間もなくその場で逮捕。手錠をかけられ、捜査員に挟まれるように車に乗り込んだ。報道陣の問いかけにも終始無言だった。
教会では毎朝5時から約1時間、礼拝がある。この日も信者が30人ほど出席し、永田容疑者が壇上から力強い口調で説教を行った。逮捕の直前、教会幹部は「そんな事実はない」と弁明していたが、牧師が去った後の教会にはハンカチで口元を押さえて立ちつくし、慰め合う信者の姿があった。「牧師は聖書の通りの方です」「神はすべてを知ってます」。信者らは言葉少なに語った。
京都府警は教会本部や大阪府枚方市の永田容疑者の自宅など7か所を家宅捜索。警戒のため、機動隊員が施設の周りを取り囲み、物々しい雰囲気に包まれた。
(京都新聞) - 4月6日15時10分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050406-00000026-kyt-l26