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2005年03月19日(土) 03時05分

ネット商取引で所得隠し、4年で90億…国税庁認定読売新聞

 インターネット上の商取引を専門に監視するため、全国の各国税局に設置された「電子商取引専門調査チーム」が昨年6月までの4年間に、計1118の個人・法人に総額214億円の申告漏れを指摘し、うち約90億円を悪質な所得隠しと認定していたことが18日、分かった。

 国税庁がネット取引業者への課税実績をまとめたのは初めてで、「匿名性が高く、実態が見えにくい」というネット取引の特性を逆手に取った税逃れが、横行している実態が浮き彫りになった。

 ネット取引は、市場規模が急速に拡大する一方、仮名・借名による取引が多く、取引記録が書類で残らないなど実態把握が難しいのが実情だった。このため、東京国税局に2000年2月に初めて設置された専門チームは、「サイバー税務署」として注目を浴びた。

 国税庁のまとめによると、4年間の所得隠し総額の内訳は、法人が計約70億円、個人が計約20億円。ネット取引市場の拡大に伴い、隠し額も増える傾向にあり、4年前と比べると10倍近くに膨れ上がっている。

 ネット取引は、店舗や多額の設備投資を必要としないため、サラリーマンや主婦、学生らが小遣い稼ぎの感覚でネットオークションなどに参加。短期間で高額の所得を得ながら、「ネット上なら身元がバレない」と考え、全く税務申告しない「無申告」が目立つという。

 ネット取引は海外からも自由に参加できるため、米国に住む邦人男性が、日本の事務所に輸入させたスポーツ用品をネット上で販売し、3年間で約1億円を売り上げながら、一切申告していなかったケースもあったという。

 また、出会い系サイトなどを運営するグループ会社15社が互いのホームページ(HP)に広告を掲載したことにし、架空の経費を計上するなどして利益を大幅に圧縮、全体で東京国税局から総額約4億1000万円の所得隠しを指摘された例もあった。HPは簡単に開設・閉鎖できるため、運営者が発覚しないよう次々とHPを立ち上げ、荒稼ぎするケースもあったという。

 国税当局は、「ネット取引の形態は複雑多様化してきており、課税逃れの手口も巧妙になることが予想される」として、今後も監視を強める方針だ。
(読売新聞) - 3月19日3時5分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050319-00000001-yom-soci