2005年03月12日(土) 02時50分
「おまわりさん、お金貸して…」 計5000円詐取、23歳男逮捕(産経新聞)
大森、大井、碑文谷、田園調布…10回
「家に帰る金を貸してください」と警察に駆け込み、寸借詐欺を繰り返していた秋田県出身の無職の男(23)が詐欺の疑いで警視庁に逮捕された。「警察官がいつも貸してくれたので、甘えてしまった」と話す男に、警視庁は「善意につけこむとは」とカンカンだ。
大森署の調べでは、男は昨年十一月二十六日、同署に「財布を落としたので金を貸して」と訪れ、八百円を借りた。二日後に同署大森海岸交番前を通りかかった際、「交番に金を借りに来たことがある男」と気付いた署員が職務質問。返却の意思がなかったことを認めたため、逮捕された。
余罪を調べてみると、男は昨年十一月、蒲田、大井、碑文谷、田園調布など各警察署で十回にわたり、計約五千円をだまし取っていた常習犯だったことがわかった。
警察には財布を落とすなどした人に現金を貸す「公衆接遇弁償費」という制度があり、原則千円以内を貸している。男はこれを悪用していた。
警視庁によると、平成十五年度は、約三万三千件の貸し出しがあったが、返済率(金額)は約67%と前年度に比べ、約3ポイント低下した。
一方、詐欺・詐欺未遂での逮捕者は十五年の十四人から十六年は二十七人とほぼ倍増。好転しない経済状況なども背景にあるとみられるが、警視庁は「善意の制度を悪用しないで」と呼びかけている。
(産経新聞) - 3月12日2時50分更新
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