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2005年02月21日(月) 00時00分

偽造キャッシュカード急増で各金融 対応の優劣で選別も 後方を確認する鏡を取り付けた埼玉りそな銀行のATM=さいたま市浦和区で 東京新聞

 急増する偽造キャッシュカードによる預金引き出し被害が社会問題化する中、県内の金融機関も本格的な対策に乗り出している。各行とも任意で1日当たりの利用限度額を設定できるようにしたり、暗証番号をのぞき見されないよう現金自動預払機(ATM)の画面にのぞき見防止フィルターを張るなどの対策を取っている。さらに偽造されにくいICカードの導入や被害を受けた場合の補償について、検討を始めるところも出てきた。 (増村 光俊)

 埼玉りそな銀行はATMののぞき見対策として、ATMを操作している人が後ろの様子を見ることができる後方確認用の鏡と、のぞき見防止のフィルターを既に全ATMに設置している。このほかATMで暗証番号を変更できるようにした。

 さらに(1)本年度中にも一日当たりの引き出し限度額を五百万円から二百万円に引き下げる(2)個別の引き出し限度額設定についても十月以降には可能になるようにする(3)顧客が電話で指定した時間だけしかATMを利用できない仕組みを今年夏にも導入する−などの対策を検討している。

 特に電話で指定した時間帯だけATMを利用できるようにする仕組みは導入コストが低く取り組みやすい。ATM利用直前に携帯電話で利用可能状態にし、それ以外は利用停止状態にすることも技術的には可能といい、同行は「ICカード、手のひらの静脈などの生体認証による不正防止策や、万一被害が出た場合の補償についても検討を始めている」としている。

 武蔵野銀行は三月二十三日からATMの一日の利用限度額を三百万円から二百万円に引き下げる。また四月十二日からは十万円単位で利用限度額の任意設定(上限二百万円)ができるようにする。これによって、万一の被害も最小限度に抑えたい考えだ。昨年四月には暗証番号の打ち間違いの許容回数を半分にする対策を取った。

 このほか、ATMの画面テロップで類推しやすい暗証番号の変更呼び掛けなどをしている。のぞき見防止フィルターを張ったり、目隠し板を大きくするなどの対策も進め、ICカードについての検討を行内で開始しているという。

 県信用金庫は現在、制限を設けていないATMでの引き出し限度額を五月をめどに一日当たり二百万円とする方針。一方、顧客の要望で限度額を上下することも可能となるようにしており、顧客サービスとの両立を目指す。既に口座を開設した店以外では引き出せないように設定することも可能という。「不正利用は口座開設店以外の店で行われることが多い」とし、不正利用防止に役立つとの考えからだ。

 各行とも預金者保護の取り組みも大事な顧客サービスで、取り組み方によって顧客の金融機関選別に大きな影響が出るとみて、より効果的な対応を急ぐという。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/stm/20050221/lcl_____stm_____000.shtml