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2005年02月21日(月) 09時48分

合否結果提供、京滋で自粛広がる 大学入試 個人情報保護法施行で京都新聞

 京滋の大学で、入試の合否結果や得点といった受験生の個人情報を出身校に提供するのを控える動きが広がりつつある。個人情報保護法全面施行を4月に控え、扱いに慎重になっているためだが、情報を進路指導に長年活用してきた高校側からは困惑の声も出ている。
 京都精華大(京都市左京区)は05年度入試から、高校や受験生が実技指導を受けた美術研究所に対する合否情報の提供を一切やめた。代わりに約2000人の受験生全員に、合否や不合格時の得点を無料で郵送するサービスを始めた。入試課の武田惠司課長は「母校に合否結果を知られたくない受験生も増えた。難しい判断だが、情報は個人に教えるのが基本」と話す。
 多くの大学では、受験生の高校や予備校に合否情報を提供する慣行が続いていた。だが、プライバシー保護に対する意識の高まりのほか、不合格時の得点など受験生個人には教えない情報を高校には提供している場合もあり、不満の声もあったという。このため、龍谷大(同市伏見区)や京都産業大(北区)などは数年前から出願書類にチェック欄を設け、出身校に合否情報を提供してよいか意思確認している。
 それでも問題はあり、昨年には滋賀県を皮切りに全国各地の高校が予備校に受験生の合否情報を無断提供し、手数料を受け取っていた事例が表面化した。昨年2月には京都造形芸術大(左京区)が、美術研究所に送るはずだった受験生の合否情報ファクスを別の個人宅に誤送信するミスも起きている。
 個人情報保護法では、個人データを第三者に提供する場合は本人の同意が求められる。学術研究機関は義務規定の適用外となっているが、新年度から受験生情報の提供をより慎重にするよう検討を始めたり、検討予定という大学も少なくない。
 ただ、高校や大学、受験産業は互いにかかわりが深く、高校は大学からの提供情報や、その情報を基に予備校が作る合否判定資料を指導の参考にしているのが実情だ。
 京都市内の公立高の進路指導担当者らは「後輩の進路指導に役立てる目的で悪用するわけではない。使う際には個人名が分からないよう配慮している」、「不合格者の何が足りなかったか把握するのに欠かせない。受験生一人ひとりに直接聞くのは現実には難しいのが本音」などと困惑気味。一方、ある私立高教員は「これまでが異常だったのかもしれない。進路指導の意識を切り替え、生徒との関係をより深めて信頼してもらうしかない」と話す。
(京都新聞) - 2月21日9時48分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050221-00000002-kyt-l26