2005年02月20日(日) 00時00分

逮捕の総会屋　１０社に利益要求 （東京新聞）

　大手ビールメーカーのアサヒビールへの利益供与要求事件で、商法違反容疑で逮捕された総会屋石原一生こと谷岡一夫容疑者（６６）＝高知県宿毛市与市明＝は、ほかにサッポロビールや大手電機メーカーの日立製作所、さらに自動車メーカーや銀行など大手企業十社に対し、情報誌の購入を持ち掛けるなど利益を要求していたことが十九日、警視庁組織犯罪対策三課の調べで分かった。

　調べでは、谷岡容疑者は昨年九月二十四日から二十七日にかけ、アサヒビールとサッポロビール、日立製作所のそれぞれの本社に電話し、担当者に「商法改正時に手切れ金をもらっていなかった。もらいたい」と迫ったり、情報誌の購入を持ち掛けて「付き合わないと、株を買って株主総会で発言するぞ」と言って現金を要求した疑いが持たれている。容疑を認めているという。

　谷岡容疑者は同じ時期に、ほかにも自動車メーカーや銀行、電力会社など大手七社に電話したり、訪問して「新しい月刊誌をつくった」と購入を持ち掛けていたことが判明。

　ただ、七社については、株主総会への出席など株主としての権利行使との関連が不明確で、事件化を見送った。

　谷岡容疑者は以前、大手銀行などを対象に総会屋活動を活発に展開していたが、一九九七年の商法改正で利益供与要求罪が新設され、総会屋対策が強化されたころから活動を休止していた。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20050220/mng_____sya_____009.shtml