2005年02月14日(月) 15時04分
<デジタルハリウッド>留学提携先を虚偽記載 再指導で修正(毎日新聞)
株式会社立の大学院大学を国内で初めて開学した「デジタルハリウッド」社(東京都千代田区)が、今春開校する4年制大学について、実際には留学提携していないUCLA(カリフォルニア大ロサンゼルス校)などを「提携先」と、パンフレットとホームページ(HP)で虚偽表示していたことが分かった。デ社は昨年、文部科学省から行政指導を受けたがルーズな対応を続け、今年2月、2度目の指導を受けた。開学前の学生募集で行政指導が繰り返されるのは極めて異例。
4年制大、デジタルハリウッド大の一般入試は2月4日から始まっており、推薦入試などは既に合格発表も行われた。
文科省やデ社によると、パンフは昨年6〜7月に作成。だが「留学提携先」と明記したUCLAやUSC(南カリフォルニア大)とは提携していないことが、大学設置認可に向けた審査の過程で判明した。デ社は10月、パンフを作り直し、USCとUCLAを削除したが、やはり提携が決まっていないカナダや豪州の大学を「留学提携先」と記載し続けた。
文科省は昨年11月に大学を認可した際「見通しが不十分な事柄について、実行・達成が確実だという誤解を受験者・保護者に与えないようにすること(例えば、海外留学の提携予定校の名称の取り扱いなど)」と「留意事項」を付けた。
留意事項は大学設置基準に違反はしないが、問題が生じる恐れがあるとして自主的改善を求める指導だ。それでもデ社はパンフをそのまま使い続けた。
HPではUSCやUCLAは削除されず、その他の大学とともに「留学提携先一覧」と表示し続けた。USC側から昨年12月末、抗議メールを受けて初めて両校を除いたうえで「提携大学候補例一覧」と修正した。
デ社は2月初旬、毎日新聞の取材に「入試説明会では提携予定と説明しているし、願書受け付けはすべてHPからなので、パンフの修正は考えていない」と答えた。だが文科省の再指導を受けて一転、パンフの該当部分をシールで修正した。
デ社の廻(めぐり)健二郎・大学室プロデューサーは「文科省にパンフを見せても何も言われなかったので問題がないと勝手に認識していた。パンフに掲載した大学とは提携交渉中で、すべて2〜3月に正式に文書を交わす予定だ」と釈明する。だが文科省は「見せてもらっていないし、留意事項が付いた後も同じパンフを使ったこと自体が問題だ。受験生に誤解を与える恐れがあり、景品表示法違反の疑いを持たれかねない」と話している。【千代崎聖史】
<デジタルハリウッド社>
94年、日立製作所、内田洋行など大手企業の出資を得て、学校ではない民間教育事業者としてウェブデザイナー養成などを目的に設立。国内外に約10のスクールを持っていたが昨年4月、国の構造改革特区事業に認定され、初の株式会社立大学院として開学。同社によると、スクールの卒業生は約3万人を超えた。
(毎日新聞) - 2月14日15時4分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050214-00000043-mai-soci