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中堅損害保険会社の富士火災海上保険（本社・大阪市）が、自動車保険などの保険料を約２５万件、計４２００万円とりすぎていたことが１０日わかった。契約内容を確認するコンピューターシステムに不具合があったためで、保険金の未払いも約５０００件、１億３０００万円に上る。保険会社の支払いをめぐるトラブルでは「過去最大規模の件数」と同社。０３年５月には気づいていたが、１年７カ月以上たった昨年１２月になって金融庁に報告していた。
同社によると、７６年のシステム導入時からプログラムに問題があり、保険料を多めにとる状態が長年続いていた。０３年５月に販売代理店の指摘で調べたところ、９５年度以降だけでも約２５万件のとりすぎ（平均１６７円）が判明した。
さらに保険金の支払い状況の確認過程で、システムの不具合から過去３年間だけでも約５０００件の未払いがあったことがわかった。１件あたり最高６０万円の支払いがなされていない事例があった。同社は契約者への謝罪と返金を進めるが、「とりすぎた件数や未払い金はさらに膨らむ可能性が大きい」という。
金融庁への報告や公表が遅れたことについては「当時の判断が十分でなかった。関係者の処分を検討する」としている。金融庁は業務改善命令を含む、厳しい姿勢で臨む方針だ。
(02/11 08:52)