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2005年02月09日(水) 21時48分

<ダスキン>無認可添加物問題 元役員に106億円賠償命令毎日新聞

 ダスキン(大阪府吹田市)が経営する「ミスタードーナツ」の肉まんに無認可の添加物が混入していた食品衛生法違反事件で、元同社部長で株主の坂井洋さん(61)=大阪府泉南市=が元専務ら当時の役員2人を相手取り、106億2400万円を同社に賠償するよう求めた株主代表訴訟で、大阪地裁は9日、2人に対し請求額全額の支払いを命じた。揖斐(いび)潔裁判長は「2人が無認可の添加物と知りながら販売を決定していた」と述べ、2人に同社が被った全損害額の賠償責任があると認定した。
 日本経団連によると、株主代表訴訟での賠償額としては、旧大和銀行ニューヨーク支店の巨額損失事件を巡り、大阪地裁が00年9月、役員ら11人に対して出した総額7億7500万ドル(当時のレートで約830億円)に次ぐ史上2番目の額。
 賠償を命じられたのは、芝原修一・元専務(63)と菅野誠介・元ミスタードーナツフランチャイズ事業本部長(56)。
 判決によると、芝原元専務らは00年12月、「大肉まん」に無認可の酸化防止剤「TBHQ」が混入しているのを知りながら販売を決定、同月中に約300万個を販売した。また、元専務らは混入を知った外部の業者に口止め料として6300万円を支払い、事実を隠ぺいした。同社は販売禁止の行政処分を受けるなど信用が失墜し、加盟店への営業補償などで105億6100万円の出費を余儀なくされた。判決は口止め料を合わせた額を損害とした。
 菅野元本部長の代理人弁護士は「不当な判決だ。控訴を検討したい」と話した。
 坂井さんは元会長ら他の元役員11人にも同額の支払いを求めたが、大阪地裁は昨年12月、「混入を知っていたのに取締役会に報告しなかった」として元社長についてのみ約5億3000万円の支払いを命じ、他の請求は退けた。坂井さんと元社長の双方が控訴している。
 肉まん添加物事件を巡っては、芝原元専務と菅野元本部長、法人としてのダスキンが食品衛生法違反罪に問われ、大阪簡裁が03年9月、罰金各20万円の略式命令(確定)を出した。【堀川剛護】
 ▽ダスキン広報室の話 判決に対して特にコメントはないが、当社としてはコンプライアンス(法令順守)体制を徹底し、さらに透明性の高い企業体質へと改革を進めたい。
(毎日新聞) - 2月9日21時48分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050209-00000074-mai-soci