2005年02月06日(日) 04時09分
変異型ヤコブ病 厚労省に不安訴える電話相次ぐ(産経新聞)
牛海綿状脳症(BSE)が原因とされる変異型のクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)患者が国内で初めて確認されたことを受け、厚生労働省内に設置された電話相談窓口には五日、英国に渡航歴がある人を中心に、不安を訴える電話が計二百七十四本も寄せられた。
窓口は専門知識をもつ厚労省の職員三人が応対。相談は四日夜から始まり、不安を訴える内容やCJDの詳しい情報を尋ねる問い合わせが相次いでいる。一件ごとの相談時間が長いうえ、三回線しかないため、電話はひっきりなしに続き、受け付けを一時間延長した。一方、厚労省は今回の事態を受け、都道府県には、迅速な診断の徹底を求める通知を週明けにも出すなど、調査監視体制を強化する。
今回の男性患者の場合、変異型の診断基準に合致しない検査結果が当初出たことから、診断基準見直しが必要かどうかを検討している。
男性は平成十三年十二月に発症。ヤコブ病のうち原因不明の「孤発性」に特異な脳波が、診断初期の主治医の検査で確認された。
世界保健機関(WHO)が二〇〇一年に作った診断基準では、この脳波が出ないことが変異型の重要要件とされていたことから、厚労省サーベイランス委員会は昨年九月、男性を孤発性と診断していた。
死亡後の脳の病理検査で、変異型だったことが判明。「孤発性に特徴的な脳波が出たのに、変異型だったというのは、世界的に珍しい」(厚労省疾病対策課)ケースと分かった。同省は、英国の専門機関に職員やサーベイランス委員を派遣し、今回の症例や指針見直しが必要かどうかを検討することにした。
電話相談窓口は、六日は午前十時から午後五時まで、七日から十日は午前九時半から午後十時まで。TEL03・3595・2162。厚労省ホームページでもCJDに関する情報を掲載している。
(産経新聞) - 2月6日4時9分更新
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