2005年01月27日(木) 00時00分

暴力団クラブから上納か 振り込め詐欺団 （東京新聞）

　大規模組織による振り込め詐欺事件で、トップの「総括社長」が傘下のグループ社長、店長らにだまし取った金を東京都内の会員制クラブで積極的に使うよう指示していたことが二十七日、警視庁などの調べで分かった。クラブの経営には指定暴力団住吉会系の暴力団が関与しており、違法収益がクラブの売り上げに転換され、暴力団に上納されていた疑いがあるとみて調べている。

　総括社長は三十代男で、警視庁などは既に詐欺容疑などで逮捕状を取り、行方を追っている。

　調べでは、総括社長は傘下に約十あるグループの社長や、その配下に約百ある店の店長らに「毎月数十万円を会員制クラブで使え」と指示していたという。

　一方、組織では、振り込め詐欺に使う他人名義の銀行口座を開設し、通帳の調達、現金の引き出しをそれぞれ専門に扱うグループが存在していたことも分かった。

　こうした専門グループは数百件に上る口座を確保していた。口座は、多重債務者らに借金の“かた”で開かせるなどしていたという。口座は振り込め詐欺に一度使うと、通帳とキャッシュカードをシュレッダーにかけて二度と使わない周到さだった。

　現金の引き出し専門グループは、キャッシュカードの裏に店の名称や暗証番号を記して管理。被害者が口座に現金を振り込むと、店長からの連絡を受けて現金を下ろしに出向いていた。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20050127/eve_____sya_____001.shtml