2005年01月16日(日) 02時33分
KDDI ツーカー売却を検討 ソフトバンク、2000億円で買収打診(産経新聞)
KDDIが、傘下の携帯電話会社、ツーカーの売却を検討していることが十五日明らかになった。巨額の売却益をもとに有利子負債の圧縮を図るとともに、新規事業などへの投資につなげるのが狙いで、すでにソフトバンクが約二千億円で買収を打診している。
ツーカーは音声中心の第二世代(2G)携帯で加入者数は約三百六十万人。今年度は百億円の最終利益を見込んでいるが、高齢者向けの「ツーカーS」のヒットで業績が急回復するなど、企業価値は上がっている。
現在、第三世代(3G)事業のauが好調なKDDIは昨年、傘下のDDIポケットの売却などで、経営の手足を縛っていた有利子負債を急速に圧縮、今年度末には八千七百億円に減る見通し。すでに余剰資金も四千億円を超える見込みで、「利益を将来のためにどう使うかが課題」(KDDI)という状況になりつつある。
KDDIの小野寺正社長は、「(ツーカーを)グループ内で活用するか、売却するかなど選択肢はいろいろある」と慎重な姿勢も見せるが、ツーカー売却で得られる数千億円規模の売却益の活用法は、今後の新規事業展開などで大きなカギを握ることになる。
一方、携帯電話事業への新規参入を目指すソフトバンクは、総務省に800メガヘルツ帯、1・7ギガヘルツ帯の周波数を希望しているが、800メガヘルツ帯は空きがなく、1・7ギガヘルツ帯は他にも希望企業があり、参入できるかどうか不透明な状況。このため、1・5ギガヘルツ帯で事業展開するツーカー買収を視野に入れたもようだ。
ただKDDIにとってツーカー売却はライバル企業を生むことになり、ソフトバンクにとっては総務省の免許付与の動き次第で買収が無駄な投資になりかねない。ツーカーの行方によっては、携帯市場の競争環境は一段と厳しいものになりそうだ。
(産経新聞) - 1月16日2時33分更新
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