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2005年01月12日(水) 00時02分

譲渡後、詐欺に使われた口座、開設者に賠償命令読売新聞

 紳士録への掲載を見合わせるためとだまされ、現金200万円を振り込んだ静岡市内の自営業者(78)が、犯行に使われた口座を開設した男性を相手取り、慰謝料などを含め270万円の損害賠償を求めた裁判の判決が11日、静岡地裁であった。

 友重雅裕裁判官は「詐欺行為に利用される可能性を考えれば、口座の開設と通帳の譲渡に応じたことは、厳しく非難されなければならない」とし、110万円の支払いを命じた。

 被告は東京都小平市の男性(35)で、「口座が違法行為に使われるとは思わず、共犯にはあたらない」との主張は退けられた。

 判決によると、被告の男性は1999年夏ごろ、飲食代金などを出してもらった男から頼まれ、都内の銀行で口座を開設、通帳を渡した。原告の男性は2000年7月、紳士録業者から、紳士録への掲載を見合わせるための手数料などとして、同口座に200万円を振り込むよう要求され、指示通りに振り込んだ。

 多発する振り込め詐欺を防ぐため、改正本人確認法が昨年12月30日に施行され、通帳やキャッシュカードなどを売買する行為が禁止された。判決は同法にも触れ、「当時は規制する法律はなかったものの、譲渡目的での口座開設は、犯罪に容易に利用される可能性があり、譲渡は(改正法の)規制対象となる悪質な行為だ」と述べた。
(読売新聞) - 1月12日0時2分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050111-00000215-yom-soci