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NHKが01年1月に放送した旧日本軍の慰安婦問題を裁く民衆法廷を扱った特集番組の直前に、当時、官房副長官だった安倍晋三・自民党幹事長代理と、中川昭一経済産業相がNHK幹部に対して、「公正中立な立場で放送すべきだ」などと指摘していたことが分かった。NHK関係者によると、一連の不祥事を機に昨秋設置された内部告発窓口の「コンプライアンス推進委員会」(委員長・海老沢勝二会長)に「放送内容に政治介入があった」などの訴えが昨年末、番組担当者からあったという。
経営広報部は「(コンプライアンス推進委に提出されたものは)守秘義務があるのでコメントできない。番組は、NHKの編集責任者が自主的な判断に基づいて編集した」と話している。
番組は「戦争をどう裁くか」4回シリーズの第2回「問われる戦時性暴力」(01年1月30日教育テレビで放送)。旧日本軍の慰安婦問題を市民団体「VAWW−NETジャパン」(西野瑠美子共同代表ら)が主催した民衆法廷で裁く様子を扱ったもので、「判決」は昭和天皇らの戦争責任を認め「有罪」としたが、この部分などは放送されなかった。
同団体は同年7月、「約束通りの番組を放送する法的義務を怠った」としてNHKと制作会社2社を相手取り、東京地裁に損害賠償を求め提訴。東京地裁は昨年3月、取材交渉を行った制作会社に100万円の支払いを命じたが、同団体と制作会社はこれを不服として東京高裁に控訴している。
NHKや安倍氏らにあてた抗議声明を発表後、会見した西野共同代表は「NHKは裁判で政治介入はないと主張し、偽証を続けていた。怒りとともに報道機関としてのNHKに大きな危機感を覚える」と話した。また、東京高裁から17日に予定されていた控訴審の結審の延期も検討しているとの連絡を受けたことを明らかにした。【NHK問題取材班】
▼安倍氏のコメント この模擬裁判は、主催者側の意図通りの報道をしようとしているとの関係者からの情報が寄せられたため、事実関係を聴いた。その結果、明確に偏った内容であることが分かり、私は、NHKがとりわけ求められている公正中立の立場で報道すべきではないかと指摘した。
▼中川氏のコメント 公正中立の立場で放送すべきであることを指摘したものであり、政治的圧力をかけて中止を強制したものではない。また、(NHKによる)説明の前後における番組制作の経緯については関知していない。
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20050112k0000e010089000c.html