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2005年01月10日(月) 09時14分

パソコン、少ない目玉でも新機続々 価格維持へ必死朝日新聞

 パソコン(PC)大手各社が入学や入社シーズンの春商戦を前に、新製品をそろって発表した。年末商戦向けに昨秋新シリーズを発表したばかりとあって、技術革新や大きな機能が追加されたものは少ない。それでも年3回の製品投入ペースを守ったのは、わずかでも付加価値を付けて価格を維持したいとの思惑からだ。

 富士通が8日以降順次投入する新作31機種の目玉は、テレビ放送受信機能をつけたB5型の携帯用ノート型PC。アンテナ機能を内蔵したヘッドホンをつなぐと屋外でもテレビ放送が受信できる。

 ソニーが5日発表した新モデルは56機種。そのうちノート型の一部が、非接触ICカード技術に対応したカード読み取り装置を初めて内蔵した。NECが6日に発表した新モデルは、新たに開発したテレビ画像を鮮明にする半導体チップを内蔵した。

 ただ、こうした新機能が搭載されるのは新作群の一部だけ。大多数は中央演算処理装置(CPU)やハードディスク駆動装置(HDD)の機能向上などにとどまっている。

 パソコンは高機能化が急速に進み、まったく新しい機能を開発するのは年々難しくなっている。テレビチューナー内蔵型もすでに珍しくなくなった。それでも国内大手は春・夏・冬の年3回の新作発表を守り続けている。メーカー担当者は「最も力を入れる年末商戦は別にして、春夏は特段の機能が追加されなくてもとりあえず出す」と言う。

 理由の一つは値崩れ防止だ。業界では、PCの価格は年10%のペースで落ちていると言われ、「新機能を追加することで何とか1年前の価格に戻している」(大手担当者)状態だ。「新作を出さないと他社にシェアを食われてしまう」との危機感もある。

 調査会社のMM総研によると、04年度上期の国内出荷台数シェアで米デルが外国メーカーとしては初めて1割を超えて11.4%に達した。シンプルな機能と低価格で高い世界シェアを獲得したデル製品が日本の消費者にも受け入れられつつある。

 対抗する日本メーカーは「価格競争に巻き込まれないためにも、海外製品にない付加価値をつけて先手を打つ」(東芝幹部)という。だが、市場の価格低下ペースに技術革新が追いつかないようだ。

(01/10 09:13)

http://www.asahi.com/business/update/0110/024.html